ビジネス

2022.11.28 13:30

「ハイブリッド」と「リモート」で生じる企業文化の差を埋める必要性

ハイブリッドワークスペース(Getty Images)

私たちは、DX(デジタルトランスフォーメーション)から人工知能、製品デザインに至るまで、あらゆる重要なビジネス活動に文化がおよぼす強力な影響力について多くを語ってきた。残念ながら、多くの場合、文化的空白が生まれることもあり得る。特にリモート集約型の企業では、誰もが電子ネットワークを介してリンクされた、ある種の 「独立した請負業者」 であるため、これは厄介な問題となりがちだ(労働法で定義された正式な独立請負業者ではなく、同じ独立した状況を共有している労働者ということだが)。仕事をただこなすだけになるのだ。

eLearning Industry(eラーニングインダストリー)が1200人の労働者を対象に行った調査では、その5分の2近く(37%)が今日の職場に文化は存在しないと考えていることが明らかになった。実際、50%の人が、彼らのリーダーは「何が強い企業文化を作り上げるのか、従業員が何を望んでいるのかを理解していない」と答えている。

さらに、残念な事実は、eLearningの調査に参加した労働者の53%が、リーダーたちは単にオフィスで働くことが「企業文化」だと考えていると答えていることだ。もしかしたら、リーダーや管理職はそれほど近視眼的ではなく、本当はもっと協力的で前向きな文化を望んでいるのかもしれないのだが、彼らが従業員に与えている印象はそうではない。

ハイブリッドやリモートの世界で成功する鍵は「企業文化を育む新しい方法を見つけること」だと、Alludo(アルード、旧社名はCorel)のCEOであるクリスタ・クォールズは指摘している。「文化とは、場所でもなければ、無料の食事やテーブルサッカーでもありません。文化とは物語であり、目的なのです。それは、あなたが部屋にいないときに他の人々が下す決定です。そして実際、オフィスであろうとなかろうと、私がいつも部屋にいることはありませんでした。成功するためには、企業文化は役員室や個々人の個室を越えて、ホームオフィスやキッチンテーブルまで拡大する必要があるのです」

Accenture(アクセンチュア)が行った別の調査では、また別の驚くべき発見があった。他人とのつながりを感じていない人の割合が一番多かったのは完全にオンサイトで働いている人だったのだ。完全オンサイトで働いている人の42%がつながりを感じていないと答えたのに対して、ハイブリッドモデルで働く人の場合は36%、完全にリモートで働いている人の場合は22%がそう答えている。Accenture北米のCEOであるジミー・エスリッジは「社員に柔軟性を与え、いっしょに働くためのツールや機会を提供することは非常に重要です」と述べている。「人々がリーダーや仕事に対して高いつながりを感じている場合、その組織は年間7.4%の収益成長率を上げ、人々は組織に対してより大きな信頼を感じるのです」
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翻訳=酒匂寛

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