──明るい未来像について教えてください。
松井:欧州でもここ数年、エリート思考からスタートアップがかっこいいという考え方に変わってきた。絶対に日本も変えられる。ベンチャーキャピタリストは毎日勉強になるし、不可能を可能にさせる面白い仕事。今後、日本もユニコーンを次々と出してほしいし、ロールモデルに続く人が出てきてほしい。
矢澤:私が想像するのは、人が楽しく働ける未来だ。仕事がつまらないのは寂しい。性別役割分担や固定観念が変われば、男性もプライベート含めて楽しめるし、結果としてみんな幸せになれる。希望を持った若者が増え、日本経済の明るい未来も見えてくるはず。
井上:日本は世界中の人が面白いと思うアイデアを生み出してきている国。人間が想像することは実現可能だといわれるが、鉄腕アトムやドラえもんのようなロボットやタイムマシンもできるかもしれない。そういう世の中をたぶんつくっていける。自分の世界観を描いていくことができれば、それを実現していく強さも生まれてくる。だからこそ、最初に自分が自分らしくあるということを知るのが大事だ。
増田:VCの認知度は上がっている。A地点からB地点へとステージが上がり、進化している状態。ここまで村的な存在で盛り上がってきた業界に、より多くの人が入ってきて、日本経済を引っ張っていけるような大きな存在になると思う。いろんなキャリアの人、バックグラウンドの人、考えの人が集まってきてほしい。
キャシー松井◎MPower Partnersゼネラル・パートナー。ゴールドマン・サックス証券で元日本副会長、チーフ日本株ストラテジストを務める。1999年に「ウーマノミクス」の概念を提唱。ウーマノミクスはその後広く世界に浸透。ESG投資に主眼を置いたMPower Partnersを2021年に設立。ハーバード大学、ジョンズホプキンス大学院卒。
増田智子◎大和企業投資次長。2008年、エヌ・アイ・エフSMBCベンチャーズ(現大和企業投資)に入社し、一貫して国内スタートアップ投資に従事。引き継ぎ含め約50社の投資を担当。投資領域は、BtoB・BtoCのITサービスのほか、ロボットや医療用AIなど、ディープテック領域も。APT Women第5期2次審査員。津田塾大学卒。
井上智子◎オムロンベンチャーズ代表兼オムロングローバルコーポレートベンチャリング室長。2018年よりオムロンのCVC代表も兼務。以前は、産業革新機構にて医療機器のベンチャーキャピタルの設立準備から、ファンドの設立、運営、スタートアップ投資に携わる。一橋大学経済学部卒、ペンシルベニア大学ウォートン校MBA。
矢澤麻里子◎Yazawa Ventures 創業者兼CEO。コンサルタントおよびエンジニアを経て、サムライインキュベートに入社。70社以上に出資。米国Plug and Playの日本支社立ち上げおよびCOOに就任し、150社以上のスタートアップを採択・支援した。出産を経て、2020年Yazawa Venturesとして独立。ニューヨーク州立大学卒。