マツダがさりげなく披露した「ティーザー車両」 その正体は?

突然現れた謎の新モデルに期待が膨らむ/photo by MAZDA


ここ数年、マツダは目を惹きつけるスポーツカーのコンセプトを披露してきた。中でも最も目立ったのが、2016年にパリで開催された第 31 回フェスティバル オートモービル インターナショナルで「最も美しいコンセプトカー賞」を受賞した「RX-Vision」だった。そのコンセプトカーは、2012 年にRX-8 の終焉とともに廃止された「RX」系統が復活する可能性をほのめかした。

RX-Vision はロータリー エンジンを使用したけど、次世代モデルは電動化のパワートレーンを採用するに違いない。しかし、業界が電動化へと急速に移行して以来、RX後継車の話はほぼなくなった。

RX-VISIONの写真
2016年にお目見えした RX-VISION

戦略的に、このビジョン スタディはマツダの代表的なソウル レッド色ではなくニュートラル ホワイトで塗装されていた。これは、将来のクーペを暗示しているのかとも思う。そのプロポーションから推測すると、ロードスターのサイズであることは確かだ。でも、丸本社長が発表した「電動化を加速させる」計画を考えれば、次世代のスポーツカーに何らかのハイブリッドかプラグイン・ハイブリッドを積むだろう。

ただ、ボンネットの位置が低い。本当にエンジン、モーター、インバーターやバッテリーという電動パワートレインを積むなら、写真で見る低いボンネットの下にそれだけのハードウェアが入るのか? そう考えると、この次世代スポーツカーは、部品がガソリン車より半分以下の完全なEVになるのか? 大きな疑問だ。しかし、今のマツダが、完全なEVパワートレインに切り替えるとは思わない。だから、この話がますます面白くなる。

ところで、さっき「ロードスターのサイズ」と書いたけど、サイズとスタイリングを見ると、実は、よりコンパクトになった次世代RX-7になる可能性もある。特にその低いボンネット。業界で「RX-9」と呼ばれている次世代 RX-7 に生まれ変わる可能もある。

その低めのボンネット下には、コンパクトなロータリーエンジンを収容し、電気モーターに繋ぐと考えられる。ロータリーを採用した場合、そのエンジンはバッテリーを充電するための発電機としてのみ使用されることはほぼ確実。

これだけ想像が広がるということは、今回のマツダのティーザー画像は上手くできているという証拠だ。この画像で大騒ぎのメディアやファンの反応を見ると、マツダのスポーツカーの人気がどれだけ高いか、つくづく伝わってくる。

その正体は次世代ロードスターなのか、それとも待望のロータリー付き RX-7 の後継車なのか? 正直に言うと、ビジョン スタディの初期段階では、これが何であるかはまだわからない。2つのうちのいずれかであることは確か。はっきり言って、市場は結局それが何であれ気にしないはずだ。とにかく、格好いいスポーツカーを出して欲しい!

国際モータージャーナリスト、ピーター・ライオンが語るクルマの話
「ライオンのひと吠え」 過去記事はこちら>>

文=ピーター ライオン

タグ:

ForbesBrandVoice

人気記事