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2022.11.25 16:30

欧州拠点閉鎖のツイッター、「巨額の罰金」に直面する可能性

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ツイッターは、ブリュッセルのオフィスを閉鎖したとフィナンシャル・タイムズ(FT)が報じた。イーロン・マスクが実権を握った同社は、劇的な人員削減を進めた結果、コンテンツの監視システムが機能しなくなる恐れに直面しているが、世界で最も重要な規制拠点の1つを閉鎖したことが、さらなる懸念を引き起こしている。

ベルギーのブリュッセルのツイッターのオフィスは、2人の従業員が先週退職した後に閉鎖されたと、FTは事情に詳しい5人の証言をもとに報じている。

欧州におけるツイッターのデジタルポリシー部門を率いていたジュリア・モーザーとダリオ・ラ・ナサは、マスクの最初のレイオフの対象にはならなかったものの、マスクが長時間の高負荷の労働を必須としたのを受けて、会社を去ったと報じられている。この二人が自ら退職したのか、解雇されたのかは不明という。

ブリュッセルのオフィスは、最大8人の従業員を抱える小規模なものだったが、ツイッターが欧州の政策立案者と連絡をとり、現地の厳しいデジタル規制を遵守する上で重要な役割を担っていた。

欧州委員会でディスインフォメーション(偽情報)の規制を担当するベラ・ヨウロバー(Vera Jourova)は、「ツイッターが欧州でこれほど多くのスタッフを解雇したことを懸念している」とFTに語っている。「ツイッターは今もなお、欧州の規制を遵守することを求められており、特にロシアからのディスインフォメーションを考慮に入れると、その役割は重要だ」とヨウロバーは語った。

「偽情報やプロパガンダを効果的に検知して対策を講じるには、リソースが必要だ。ツイッターは偽情報やヘイトスピーチとの戦いにおいて非常に有益なパートナーであり、これを変えてはならない」と、ヨウロバーはFTの取材に述べている。

ブリュッセルの2人の従業員の離職は、EUが大手IT企業の規制を強化する「デジタル市場法(DMA)」の導入を決定した直後のことだ。この法の施行によって、欧州の規制当局はコンプライアンスを守らない企業に対し、全世界の売上高の最大6%にも及ぶ高額な罰金を科すことができる。

ツイッターは、ブリュッセル以外の他の欧州の拠点でも大規模な人員削減を行っており、特に注目すべきは、EUの厳格な一般データ保護規則(GDPR)に準拠するための重要拠点であるダブリンのオフィスからも離職者が相次いでいることだ。アイルランドのデータ規制当局はすでに、ツイッターが適切な人員レベルを維持し、違反すると世界の売上高の最大4%の罰金が科されるデータ保護に関する規則を遵守できるかどうかについて懸念を表明している。

forbes.com 原文

編集=上田裕資

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