マイアミにあるショッピングモール「アベンチュラモール」内に「ナイキ・アベンチュラ」をオープンさせた。ナイキ・ライズは2020年に広州で試されたあと、ソウル、ロンドンでも出店されている。
アベンチュラ店の大きな特徴のひとつは、地域のスポーツ、都市、アスリートのデータをビジュアル化し、この店舗でしか体験できないコンテンツを作成する「スポーツパルス」と呼ぶ新しいデジタルストーリーテリングのプラットフォームが導入されている点だ。店内に設置された大型LEDスクリーンに、ナイキのアプリ「Nike Run Club」などのプログラムから選ばれたスポーツ試合やキャンペーン情報、都市特有のデータがリアルタイムで表示される。
またナイキのメンバー向けに、オンラインで購入した商品の受け取りや、人気スニーカーを公正で便利に購入できる「SNKRS PASS」などのサービスも提供。スニーカーなどのデザインを自分好みにカスタマイズできる「Nike By You」も利用可能だ。
ナイキで北米店舗を担当するデビッド・ケルセイ副社長は「スポーツへのアクセスを広げ、デジタル、フィジカル両面の体験を通じてアスリートを鼓舞し、つなげ、その役に立てるように、小売事業のあらゆる面で投資を拡大しています」と説明。「デジタルに対応し差別化された小売体験を生み出し、当社のマーケットプレイス全体でお客様にシームレスなショッピング・フィットネスジャーニーをしてもらえるようにするのが目標です」と述べている。
ナイキはデジタル対応にも力を入れた新型店舗の展開をほかにも進めており、7月には「Nike Style(ナイキ・スタイル)」の初の店舗をソウルにオープンさせている。このストアはジェンダーフリーの売り場になっており、QRコードによる拡張現実(AR)体験もできるほか、コンテンツスタジオも併設されている。
近年は店舗周辺のメンバーのニーズに応える「Nike Live(ナイキ・ライブ)」を、ナイキのルーツの地であるオレゴン州ユージン、ロサンゼルス、ニューヨーク、東京などに設けているほか、地域密着型ストアの「Nike Unite(ナイキ・ユナイト)」も展開。さらにパリ、上海、ニューヨークには旗艦店「House of Innovationm(ハウス・オブ・イノベーション)」も構えている。
ナイキの直販部門「ナイキ・ダイレクト」で欧州・中東・アフリカ地域を担当するキャシー・スパークス副社長は、2025年までに売り上げの4割をオンライン・デジタル経由にすることを目標にしていると説明。同時に、実店舗も引き続き「重要な役割」を果たすことになると述べ、世界全体で7000店規模のネットワークを堅持していく考えを示している。
(forbes.com 原文)