軽症者にも使える飲み薬としては、米国製薬会社の2種に続いて3種目ですが、重症化リスクのない人を対象にしている点がゾコーバの特徴です。政府はすでに100万人分の購入契約をしています。
ゾコーバは、新型コロナウイルスが増殖する際に「3CLプロテアーゼ」というウイルス由来のタンパク質分解酵素を利用しますが、それを阻害することでウイルスの増殖を抑制するというもの。対象となる患者は、12歳以上の小児及び成人で、1日目は3錠、2日目から5日目は1錠1日1回投与する飲み薬(経口抗ウイルス薬)です。
ただし、併用できない薬が36種類あり、妊婦や妊娠している可能性がある患者には使えません。
オミクロン株流行期に、重症化リスク因子の有無やワクチン接種の有無にかかわらず幅広い軽症/中等症患者を対象に実施した臨床試験において、オミクロン株に特徴的な新型コロナウイルス感染症の5つの症状に対する改善効果および抗ウイルス効果の両方が確認されています。
塩野義製薬はゾコーバについて、さまざまな臨床試験を続けていくほか、感染患者の同居家族を対象とした発症予防試験や、12歳未満の小児対象試験も準備しているとのこと。今後の取り組みとしては「感染症の脅威からの解放」を特定し、感染症のトータルケアの実現に向け努めていくとしています。