モルガン・スタンレーのアナリスト、アダム・ジョナスは23日の顧客向けリポートで、テスラの現在の株価は約170ドルと最悪シナリオの150ドルに近づきつつあるとし、テスラ株は「割安価格で買える好機」かもしれないと記した。テスラの株価は過去1年では54%下落している。
ジョナスはテスラの株価がいつごろから回復しそうかには言及していないが、目標株価は330ドルに据え置いた。向こう1年で約94%の急伸を見込んでいることになる。
ウェドブッシュ証券のアナリスト、ダニエル・アイブスも同日、テスラ株の下落は「行き過ぎ」だとの見方を示した。最近の下落は、ツイッターに充てる資金のためにマスクがテスラ株をさらに売却するのではないかという懸念や、マスクが当面、テスラではなくツイッターの経営に専念するのでないかという投資家の不安を背景とした「ブランドの毀損」によるものだと説明した。
アイブスは、不安定なマクロ経済状況のなかで多くのEVメーカーがコスト削減を迫られている現状を考えると、テスラが今年なお年間200万台を生産する見通しとなっているのは「じつに素晴らしい」と評価。目標株価も強気の250ドルで維持している。
アイブスは「マスクはツイッターを舞台としたメロドラマがテスラの長期的な成長ストーリーを損なうことはないと、投資家を安心させる必要がある」と指摘。少なくともテスラが来年1月末に2022年第4四半期(10〜12月)決算を発表するまでは、マスクによる株式大量売却の懸念がテスラの株価の上値を抑えそうだと予想しつつ、その発表によって投資家の信頼を取り戻せるのではないかとみている。
このほか、シティのアナリスト、イタイ・ミカエリもテスラ株について同様の見解を示している。ミカエリはテスラの目標株価をウォール街では最も低い部類に入る176ドルとしているものの、23日のリポートでは値下がりによって株価がかなり適正になったとして、投資判断を「ニュートラル(中立)」に引き上げた。
調査会社ファクトセットによると、ウォール街のアナリストによるテスラの目標株価の平均は289ドルで、足元よりも70%高い水準となっている。
(forbes.com 原文)