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2022.11.26 13:30

『マネー・ボール』から20年、プロスポーツにおけるデータと分析の現在

2011年9月19日、カリフォルニア州オークランドのパラマウント・シアターで行われた映画『マネーボール』のプレミア上映(Steve Jennings / Getty Images)


スコットは、現在MLBはいくつかの理由によって他のプロスポーツリーグより先を行っていると考えている。彼は野球を「コンタクトスポーツというよりもプレシジョンスポーツ(正確さを争う競技)」であり、マイナーリーグや二軍チームなどの関連組織を含めて最大のプロスポーツリーグだと説明する。ただし他のリーグも後に続こうと必死だ。ナショナル・フットボール・リーグ(NFL)は、主要プロスポーツリーグで初めて最高データ責任者(Chief Data Officer)を雇用している。
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スコットによると、データと分析をプロスポーツチームに統合するための鍵は、データ分析のリソースとソリューションへの投資の価値を実証するための結果を測定する能力だという。基準の1つはグラウンド上の結果で、勝利数で表される。ただし、チームは「遅延効果」を考慮に入れなくてはならない。つまり、結果は一夜にして現れるものではなく、多くの場合は時間とともにやってくる。

プロスポーツチームが人材や人材育成にかけた投資の結果が見えるまでに1~3年かかることは珍しくないとスコットは指摘する。プロスポーツに当てはまることは多くの業界の企業にも当てはまる。そして、企業が毎年、毎四半期の結果に責任を負うのと同じように、プロスポーツチームは毎シーズンの成績に責任を負わなければならない。

『マネー・ボール』に書かれているとおり、データと分析の利用は、さまざまな抵抗と向かい風に遭遇してきた。主な理由は必然的にともなうカルチャーの変化だ。「データと分析の利用は、過去に行われてきたやり方を侵害することになりがちです。私たちはデータと分析への依存が高まることへの恐怖に対応しなければなりませんでした。私たちは人間を相手にしているのです」とスコットはいう。最後にスコットは、データと分析を利用して成績を改善するために、プロスポーツチームは違う考え方を学ぶ必要があると指摘した。だから、ものごとを違った目で見るおかしな人たちであるはみ出し者、反逆者たちに乾杯しよう! ビジネスに当てはまることは、スポーツにも当てはまるのだ。
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forbes.com 原文

翻訳=高橋信夫

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