MR技術で看護師の手術中動作をマスター

プレスリリースより

複合現実(MR)技術を活用した医療への取り組みは、すでにいくつかありますが、日本メドトロニックと日立ソリューションズ、日立ソリューションズ・クリエイトが共同で、手術室で看護師が器械出し方法を習得するためのトレーニングツール「HoloMe(ホロミー)」を開発しました。

病院経営において、医師や看護師の労働量の増加や患者一人にかけられるリソース不足が課題になっています。そうしたなかでも医療技術の高度化は進んでおり、少ない時間で効率よく習得することが望まれています。

そうした要望のなかで、手術室での器械出し業務は、看護師にとって的確かつ素早い組み立てと操作が必要で、熟練者と非熟練者では大きな差が生じており、この差を埋める手段として今回のツールが開発されたとしています。



HoloMeでは、マイクロソフトのMRデバイス「Microsoft HoloLens 2」を利用し、熟練看護師の目線の動きを現実の空間上に表示・録画することで、その録画データを非熟練看護師が視聴し学習できるトレーニングツールとなっています。熟練看護師の目配せは、周囲への注意とともに、手術手順の先を見越しており、効率的な器機出しとともに、組み立て方法なども学べる教材を作成できます。

開発に携わったメドトロニックのトレーニング&エデュケーション ディレクターである浦田美智雄氏は、「医療業界において医師向けのトレーニングは比較的充実していますが、看護師向けのトレーニング教材は潤沢ではなく、また病院の人的リソースの問題で看護師の製品取り扱いに関するトレーニングが十分に実施できていない施設もあります。今回のツールによって自社製品を安全かつ適正に使用していただくことにつながるだけでなく、医療現場の人的リソースの課題解決にもつながるのではと考えています」と語っています。

文 = 飯島範久

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