ヘルスケア

2022.11.27 08:45

毎年約4億人が感染 デング熱について知っておくべきこと

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アリゾナ州保健当局は先週、旅行ではなく米国内で感染したと見られるデング熱の症例を報告した。

これにより同州は、フロリダ州を除き今年米国で国内感染が記録された唯一の州になるかもしれない。デング熱が米国で国内感染することはまれだが、時折流行を引き起こすことが知られている。

デング熱は激しい筋肉痛を引き起こす蚊媒介性のウイルスで、毎年約4億人が感染している。

世界の人口の約半分はデング熱のリスクがある地域に住んでいて、米国本土でもデング熱を媒介する蚊は多くの地域で一般的に見られ国内感染の可能性があることから、時折流行が生じている。

デング熱感染者の圧倒的多数は無症状か軽症だが、感染者の4人に1人(25%)は具合が悪くなる。熱や発疹、頭痛、吐き気や嘔吐(おうと)などインフルエンザに似た症状であることから、他の病気と間違われることが多い。

具合が悪くなる人のうち、約20人中1人は重症になる。この場合は命に関わるような医学的緊急事態に発展する可能性があり、激しい筋肉痛やショック、内出血や臓器障害が起き得る。

デング熱に対する特定の治療薬はなく、休息や水分補給、アセトアミノフェン(パラセタモールとしても知られる)などの解熱剤や鎮痛剤(ただしアスピリンやイブプロフェンといった抗凝血剤は避けるべきだ)により管理可能で、大半の人は1週間ほどで回復する。

きちんとした医学的治療が提供されない場合、デング熱の重症患者の死亡率は20%まで上がる可能性があるが、治療を受けられれば死亡率は1%未満まで下がる。重要なのは、患者の体液量を維持することだ。

今回報告されたデング熱の症例はアリゾナ州マリコパ郡で、当局は感染が旅行でなく国内で起きた可能性があると考えている。専門家らは感染源を追跡し、同地域の他の人にも感染の恐れがあるか調査中だ。

デング熱は米国で未知の病気ではなく流行の可能性もあるものの、大部分の症例は旅行に関連したものだ。11月2日までに今回とは別にデング熱の症例を10件記録したアリゾナ州は今年、国内感染を記録した州としてわずか2つ目だ。

他に国内感染が報告された州はフロリダ州のみで、同州が報告した症例数は他の全ての州を合わせた数よりも多い。米疾病対策センター(CDC)によると、11月2日までに記録された旅行関連の感染者数は582人で、国内感染者数は32人だった。

CDCによると、米国で今年11月2日までに報告されたデング熱の症例は888件だ。
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翻訳・編集=出田静

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