米連邦取引委員会(FTC)は9月にこの買収に関する独自の反トラスト法(独占禁止法)の調査を発表した。彼らは、アマゾンがアイロボットの家庭用ロボット掃除機「ルンバ」を用いて、人々の家の間取りなどの詳細なデータを収集することで、不当な利益を得ることを懸念している。
フォーブスは、英国の非営利団体であるフォックスグローブが英国の競争・市場庁(CMA)に送った書簡を独占入手した。彼らは、アマゾンが家庭用消費財分野でその支配力を不当に利用してライバルを踏みにじっていると非難している。
「アマゾンは、グーグルやメタのようにその巨大な市場パワーを自社の強化のために用いている。我々は、彼らが計画中の合併が、新興市場における幅広い競争を消し去ることに重大な懸念を抱いている」とフォックスグローブは述べている。
アマゾンの広報担当者のローラ・ガニング・ウェイトは声明の中で、同社が合併の審査において「関連する規制当局と協力している」と述べている。CMAからのコメントはまだ得られていない。
アマゾンはすでに、いくつかの新しいカテゴリに買収を通じて進出しており、食品スーパーのホールフーズや、ヘルスケア企業のワンメディカル、映画製作のMGMなどがあげられる。
「買収して潰す」戦略
フォックスグローブは、アイロボットの買収は、アマゾンの自社の家庭用ロボット「Astro」の事業に関連する可能性があると指摘した。現状では招待者限定で1000ドルで販売されているAstroは、ルンバの機能のいくつかを取り込むことができると彼らは述べている。フォックスグローブは、アマゾンの戦略が、大企業が中小企業を買収して技術を奪い、小規模な企業を抑圧したり閉鎖したりする「コピー・アクアイア・キル(copy-acquire-kill)」戦略であると非難している。