ロイド・ウェバーの新ミュージカル『バッドシンデレラ』はなぜ「バッド」なのか


ジェナオは『On Your Feet !』(オン・ユア・フィート!)でブロードウェイデビューし、『Dear Evan Hansen』(ディア・エヴァン・ハンセン)に出演、最近ではPaper Mill Playhouse(ペーパー・ミル・プレイハウス)で『On Your Feet !』の主役グロリア・エステファン役で主演している。ブルックリンで生まれ、コネチカット州ハムデンで育ったドミニカ人の女優ジェナオは、 「胸がドキドキして張り裂けそうです」 と語った。ブロードウェイに出る前は、コネティカット大学で経営学の学士号を取得し、銀行で働いていた。

ジェナオは「ブロードウェイで主役の座を獲得することをずっと夢見てきましたが、アンドリュー・ロイド・ウェバーさんやこのようなすばらしいチームといっしょにその夢を叶えられるなんて、夢にも思っていませんでした」 と語った。「誇り高いドミニカ共和国出身のアメリカ人として、自分のコミュニティを代表し、おとぎ話は本当になるんだよ、そして誰でもそうできるんだよということを世界に伝えることができるこの機会をとてもうれしく思っています。ラテン・コミュニティをプリンセスとして代表できてとても光栄です」

ジェリル・ブルーナー(記者):シンデレラ役に決まったことを知ったのはいつですか?

リネディ・ジェネオ:最終面接の場で役をオファーされました。オーディションは何度も受けましたが、今まで受けたオーディションの中で、最も厳しいものでした。でも、どんどん先に進むにつれて、今までにない自信が湧いてきたんです。これは自分にできる役だと思ったんです。

最終面接では、何度も何度も何度も歌を歌わされました。正直、もう一度やれと言われてもできる気がしません。もう十分でした。また歌わなければならないのかと思いながら、最後に部屋に入ったら、アンドリュー・ウェーバーさんが立ち上がって、『シンデレラになってもらえますか?』と聞いてきたんです。頭が真っ白になりました。とても信じられませんでした。震えが生じ、圧倒された気持ちになりました。顔の化粧が流れ落ちて行きました。

ブルーナー:パフォーマーにならなければいけないと思ったのはいつですか?

ジェネオ:小さい頃から、教会でスペイン語の歌を歌っていました。そして、高校生の時に演劇に出会いました。高校時代にブロードウェイの演劇を体験しました。数年前、私はグロリアとエミリオ・エステファンのミュージカル『On Your Feet !』の公募ワークショップに参加しました。

自信があったんです。ラテン系の俳優を募集しているんだなと思いました。それが私です。私はグロリア・エステファンの音楽で育ちました。それが私です。他人のふりをする必要はないんです。ただやれば良いんです。そして、iPhone 4で自撮りして、ドラッグストアのWalgreens(ウォルグリーンズ)で印刷して、公募に臨みました。こうして私はブロードウェイデビューを果たしたんです。

ブルーナー:なぜこのシンデレラは「バッド」シンデレラなのですか?

ジェネオ:彼女は反逆者なんです。典型的なおとぎ話では、シンデレラは静かで、従順で、受け身です。バッドシンデレラは、そうした期待には沿っていません。彼女は大声で自分が何者であるかを人々に伝えます。

『バッド・シンデレラ』は米国時間2023年3月23日よりブロードウェイのインペリアル・シアターで開演する。

forbes.com 原文

翻訳=酒匂寛

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