聞き手がうんざりするプレゼンに共通する3つの失敗

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聴衆がプレゼンにうんざりすることは日常茶飯事だが、どれほど魅力のないプレゼンだったかを誰も当人に伝えない場合が大半だ。

それでも、特によくあるプレゼンの失敗は意識しさえすれば簡単に直せる。例えば次のようなものがある。

1. スライドを読んでいる


パワーポイントのスライド1枚に含まれている単語数の平均は、英語の場合40語だ。これは平均なので、これを超える文字が書かれているスライドも多い。スライドに文字を詰め込み過ぎることには3つの問題がある。

まず1つ目に、文章が多いスライドはパワーポイントにまとめた文書に過ぎない。2つ目に、文章を追加すればするほど、詰め込むためにはフォントを小さくする必要がある。そうなれば、特に仮想会議ではコンピューターや携帯電話の小さな画面を使うため、誰も文字を読めない。

3つ目に、スライドに文字が多い場合、話者はスライドから直接読むため、聴衆に背を向ける(あるいはウェブカメラから目をそらす)ことが強いられる。

対面の場合もネットを介する場合も、聴衆に関心を持ってもらうにはアイコンタクトが欠かせない。短い引用を除いて、スピーチがうまい人がスライドを読むことはまれだ。

TEDトークを見ると、世界で特に優秀なスピーカーはほとんどの内容をスライドからではなく直接聞き手に伝えているはずだ。これは、スライドの大半には画像や図表、アニメーション、動画が載せられているためだ。スライドに数単語書くことは許されるし、必要な場合が大半だが、スライドが文書のようであればすぐに聴衆の関心を失うだろう。

2. 技術確認をしない


多くのスピーカーはコンピューターや接続、マイクなどの確認をせずギリギリに到着する。数週間かけて非常に大事なプレゼンを用意したのであれば、スライドがプロジェクターに投影されない、部屋の無線LAN接続が安定していため動画を見せられないといった理由で聴衆の関心を失うのはもったいない。

このミスを避けるシンプルな方法は、早めに会場に向かうか、さらに効果的なのはプレゼンの日の前に技術確認をし、何か問題があれば解決できる時間が持てるようにすることだ。私は基調講演に招待されたらイベント前日に到着するようにし、実際にイベントが行われるホールやスペースで機材を試すことができるようにしている。

仮想会議では、独自の問題が生じる。ズームやマイクロソフト・チームズ、シスコ・ウェブエックスなど全ての基盤には微妙な違いがある。プレゼンに動画がある場合、基盤によっては「動画用に最適化する」という選択肢があり、この項目を選択しなければ、ネットを介して聞いている人には音声が聞こえないかもしれない。技術的な問題はかなり早い段階から把握しておくこと。
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翻訳・編集=出田静

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