衛星インターネットが人々に希望与えるウクライナの瓦礫の街

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ロシア軍が撤退したウクライナの南部ケルソン州では、国内最大の通信事業者「キエフスター」の拠点の復旧作業が続いている。11月17日、エンジニアたちは、爆撃によって倒壊したビルから、通信機器を取り出そうとしていた。

現地では多くのエリアがまだ停電中だが、侵攻前に80以上あった基地局のうちの5つがすで復旧しており、ロシア軍の地雷を取り除くと、さらに作業が進むという。ボーダフォンによると、ケルソンでの通信可能エリアは大幅に拡大し、街のほとんどをカバーできるようになった。

これまでの作業でエンジニアたちが互いに通信できたのは、イーロン・マスクのスペースXの「スターリンク」が無料で提供する衛星インターネットのおかげでもある。「緊急事態には非常に有効だ」とキエフスターのCTOのボロドミール・ルチェンコは言った。

現地で最大の通信事業者であるボーダフォンとキエフスターの両社は、ウクライナのデジタル変換省(Ministry of Digital Transformation)からスターリンクのシステムを与えられた。同省は、キエフ政府の他の部門とマスクが対立していても、マスクのウクライナへの援助を支持している。マスクは以前、ウクライナが戦争の集結のためにクリミアを放棄すべきだという和平提案を行ったことがある。

これを受けて、キエフの外交官らは激怒し、マスクに「失せろ」とツイートした。マスクは、彼らの命令に従い、スターリンクの提供の中止を示唆したが、その後はこの発言を撤回し、今でも無償提供を続けている。

ケルソンの市民たちは、ディーゼル発電機で稼働する通信ステーションの周りに集まり、外国からの最新情報を得たり、愛する人と連絡を取ったりしている。「スターリンクのインパクトは想像を絶するものだ」とルチェンコは述べた。

戦争が始まって以来、危険な都市で作業を続ける通信技術者たちは、ウェブへのアクセスを維持する英雄として賞賛されてきた。ウクライナでは、今も戦争が続き、莫大な数のロケット弾が発射されているが、技術者たちの決死の作業はその中でも続いている。

forbes.com 原文

編集=上田裕資

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