存在感低下が著しいアップル「エアタグ」に未来はあるか?

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先日、筆者のMacにアラートが表示され、エアタグ(AirTag)のバッテリー残量が少なくなっているとの警告を受けたが、正直なところ、このデバイスを持っていることをすっかり忘れていた。もしかしたら、アップルもエアタグに興味をなくしているのかもしれない。

エアタグの発売から1年半が経過した今、アップルのサイトを見ても、その存在感が低下してることは明らかだ。このデバイスは、サイトの下部にひっそりと置かれている。もちろん、発売から1年以上がたった30ドルの利益率の低いハードウェアをサイトのトップに置かないのは自然なことだが、エアタグが人気商品になっていないことは確かだ。

Googleトレンドのデータでもそれは明らかだ。2021年4月の発売当初と、昨年のクリスマスには明らかに関心のピークがあったが、それはおそらく消費者が休暇中の荷物を追跡する製品を探していたためと考えられる。しかし、それ以降は下降線をたどっている。今年の年末に、エアタグへの関心がもう一度復活するかどうかが気になることろだ。

アップルはエアタグへの関心をすべて失ったわけではなく、11月初めにはファームウェアのアップデートをリリースしたが、その詳細には触れていない。同社は、今年4月のアップデートでは、エアタグの位置を特定しやすくするために、アラーム音のボリュームを大きくしていた。

プライバシーに関する懸念は、アップルがエアタグに注力を控えている理由の一つかもしれない。同社は、ストーカーや車上荒らしを容易にする製品を開発したと非難されており、これは顧客のプライバシー重視をアピールする企業にとってマイナス材料と言える。

エアタグが、アップルの製品ポートフォリオの中で長期的な未来を持つプロダクトになるかどうかは、まだ分からない。しかし、この製品の初期のオーナーたちは今、電池を交換する必要に直面しており、最大の疑問は、彼らがわざわざ交換するかどうかだ。筆者は、まだどうするか決めていない。

forbes.com 原文

編集=上田裕資

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