共和党内での立場が弱まっているとされるなか、トランプは11月15日、フロリダ州の邸宅マール・ア・ラーゴで演説を行い、出馬を表明。予備選に向けた戦いを開始した。だが、かつてはトランプ大統領の盟友とされてきたにもかかわらず、支持を取りやめることを表明した大口献金者は、シュワルツマンだけではない。
トランプの大統領在任中は貿易などの問題で助言をしてきたシュワルツマンは、ニュースサイトのアクシオスに対し、共和党の大統領候補として、予備選では「新世代のリーダー」を推すつもりだと述べている。
ロイターによると、シュワルツマンは2020の大統領選では、トランプを支持するスーパーPAC(政治活動委員会)、「アメリカ・ファースト・アクション」に、少なくとも300万ドル(約4億2000万円)を献金していたという。また、同年には共和党と関わりのあるその他のPACを支援するため、2700万ドル以上を費やしていたという。
一方、トランプ政権の政策を支持してきたことで知られる米シタデル・セキュリティーズの創業者ケン・グリフィンは、先ごろ行われた中間選挙で総額1億ドル以上を共和党の候補者たちに寄付。CNBCによると、特にフロリダ州のロン・デサンティス知事に、数百万ドルを献金したとされている。
さらにグリフィンは、デサンティスは大統領選への立候補を正式に表明していないにもかかわらず、共和党の候補に名乗りを挙げれば「支持する」と表明している。
“メディア王”ルパート・マードックは、トランプが政治家としてのキャリアをスタートさせた当初から、その活動を支援してきた。だが、マードックとその所有するメディア各社はこのところ、トランプを厳しく攻撃している。
米紙ニューヨーク・ポストはトランプの出馬表明について、一面に「フロリダ州の男性が発表を行う」との見出しを付けた記事を掲載。ウォールストリート・ジャーナルは、中間選挙の翌日に掲載した社説で、トランプを「共和党の最大の敗者」と呼んだ。