アルテミス計画で使用されるオリオン宇宙船を監督するハワード・フーは、11月20日のBBCのローラ・クエンスバーグの番組で、NASAが2020年代の終わりまでに人類を月に住まわせることを望んでいると語った。しかし、彼らが月面にどのくらいの期間滞在し、何をすることになるかは不明だ。
NASAの無人探査機「アルテミス1」の打ち上げは、数カ月の遅れを経て16日に実施され、人類を月に運ぶ将来のミッションに向けてのテストを行っている。第2弾のアルテミス2号は2024年に人類を月の軌道に乗せ、2025年のアルテミス3号が人類を再び月に送りこむ予定だが、NASAはこのスケジュールが延期される可能性があると述べている。
NASAは、これらの月探査を人類を火星に送りこむという、さらに野心的な目標に向けた出発点に位置づけている。人類が最後に月に降り立ったのは、1972年のアポロ17号のミッションだった。
NASAの930億ドル(約13兆円)規模のアルテミス計画は、月や火星に人類を送りこむことを目標とするもので、何年も前から準備が進められてきた。フーは、月の南極を探査し、そこに水が存在するかどうかを調べることが直近の最大の目標だと語った。水からは水素と酸素を取り出すことが可能で、火星への旅の燃料として使用できると彼は述べている。
アルテミス1のミッションで月に向かったオリオン宇宙船は、12月11日に地球の海に着水して帰還する予定だ。
近年の宇宙開発への関心の高まりは、主に「億万長者たちの宇宙開発競争」と呼ばれる民間企業が作り出したブームに後押しされている。ヴァージン・ギャラクティックの創業者のリチャード・ブランソンは、昨年7月11日に初めて宇宙を訪れたビリオネアとなった。その数日後には、アマゾン創業者のジェフ・ベゾスが宇宙に到達していた。
(forbes.com 原文)