月へ向かうNASA新型宇宙船オリオン号7つのトリビア

オリオン宇宙船(NASA)


4. 過去に一度だけ軌道上でテストされたことがある


オリオンは2014年にフロリダからデルタIVヘビーロケットで打ち上げられ、地球を2周する最初で唯一の軌道上テスト飛行を行った。探求飛行試験ミッションは4時間半かけて行われ、その間に宇宙船は、

・国際宇宙ステーション(ISS)の最大15倍の高度に到達した
・時速2万マイル(時速約3万2000キロ)のスピードで飛行した
・地球の大気圏に突入し、華氏4000度(摂氏約2200度)に達する高温に耐えた


2014年12月5日の探求飛行試験に使われたNASAのオリオン宇宙船が、2018年7月23日ホワイトハウスで開催された「Made in America Product Showcase」イベントで芝生の上に展示された。オリオンの主契約者であるロッキード・マーティンは、2011年にオリオンのクルーモジュールの製造を開始し、2012年7月にNASAのケネディ宇宙センターに引き渡し、最終組立、統合、テストを完了した。(Jabin Botsford/The Washington Post/Getty Images)

5. 「月の石」を周回させる


今回月を周回するオリオン宇宙船は、教育や後世のために多くの記念品を「オフィシャルフライトキット」として積み込むことになる。おそらく最も奇妙なものは、2011年にスペースシャトルの最終便にも搭載されたアポロ11号が持ち帰った小さな月の石だろう。また、アポロ8号の記念メダル、アポロ11号のボルト、アポロ11号の破片も携行される。

6. 太陽の表面温度の半分の熱さに耐えられる


オリオンの足回りには、時速2万5000マイル(約4万キロ)で飛行しながら地球の大気圏に突入し、華氏約5000度(摂氏約2760度)の高温に耐えられるよう、直径16.5フィート(約5メートル)の熱シールドが装備されている。

これは、太陽の表面温度(摂氏約6000度)の約半分の温度だ。

7. 次のフライトは、象徴的な瞬間になるだろう


アルテミス1の次は、2024年を目処にアルテミス2が計画されている。これは21世紀最初の有人月周回飛行となる。アルテミス2は、アルテミス1とほぼ同じ内容だが、オリオンの生命維持装置をテストするために4人の宇宙飛行士が搭乗する。合計10日間のミッションで、地球を2周してから月の向こう側4600マイル(約7400キロ)地点に到達する予定だ。

それは人類がこれまでに行った宇宙旅行の中で最も遠い場所になる。

澄み切った空と大きな瞳に願いを込めて。

forbes.com 原文

翻訳=酒匂寛

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