ハーバード大学ロースクールもUSニューズのランキングから離脱

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ハーバード大学ロースクールは、2022年から「USニューズ&ワールド・レポート」のロースクールランキングへの参加を取りやめると発表した。ハーバード大学ロースクールのジョン・F・マニング学部長は声明の中で「我々の理念とコミットメントを、USニューズランキングが反映する方法論やインセンティブと調和させることが不可能になった」ため、この決定を下したと述べている。

イェール大学ロースクールが先に同様の決定を発表していたことに触れながら、マニング学部長は、この問題を過去数カ月間検討してきたと述べた。

「特に、(イェール大学も強調しているように)USニューズのランキング方法が、当校のクラスの社会経済的多様性を高めることに反するという点について、懸念しています」と学長は述べた。

また「USニューズ」のランキング方法は、学生に必要性に応じた経済的支援を行い、ローン返済や奨学金制度を通じて、公益に貢献する仕事に就きたい卒業生を支援するというロースクールのコミットメントに逆らうものだとも述べている。

「USニューズ」のランキングは、学生のテストスコアと大学のGPAに重きを置いているため、ロースクールにとっては、経済的な必要性に関係なく、その条件に当てはまる出願者に多くの経済援助を向けるインセンティブになっていると、マニング学部長は指摘する。また「負債基準」が学生の負債を計算する際に、学校が提供するローン免除制度を無視しているため、この方法は公益的なキャリアを目指す卒業生を支援するものではないとも述べている。

「私たちはこの懸念を共有し、USニューズにも伝えています」と、彼は述べた。また、学校から支給される公益奨学金を受けた人が就く専門職は「重要なニーズを持つ組織に弁護士を提供するだけでなく、卒業生のパブリックセクターでのキャリアをスタートさせることも多い」とも述べている。

イェール大学やハーバード大学といった有名大学のランキングからの撤退は、よく知られている高等教育ランキングの影響力を低下させる可能性がある。さらに、多くの大学で多様性を求める動きが活発化していることも、ランキングが推進していると思われていることと必ずしも一致しないかもしれない。

「USニューズ」のプロセスは「法学教育の最高の理想や、我々が奉仕する職業を促進するものではありません」とマニング学部長は述べ「ハーバード大学ロースクールの深いコミットメントに矛盾するものです」と指摘した。

forbes.com 原文

翻訳=上西 雄太

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