Forbes BrandVoice!! とは BrandVoiceは、企業や団体のコンテンツマーケティングを行うForbes JAPANの企画広告です。

2022.12.06

「お悩みピッチ」やってみた こゆサミット編——「アドバイスではなく、体験のシェアだからこそ、お互いに成長できるきっかけになる」

経営者同士で日々の課題を共に考える場として、Forbes JAPANとアメリカン・エキスプレスがタッグを組み、2020年より開催してきた「お悩みピッチ」。これまで、たくさんのお悩みを持つ経営者(=「お悩み人」)が自身の悩みや困り事を発表し、規模や業界が異なるさまざまな経営者が「お助け隊」となって、自らの経験をもとにアドバイスを送ってきました。

そして、2022年はその本質をまとめた「虎の巻」をローンチし、より多くの経営者に「お悩みピッチ」を活用してもらうべく、発信をしています。

そんな中、「お悩みピッチをやってみたい」と手を挙げてくれたのが、「世界一チャレンジしやすいまち」をビジョンに掲げ、新富町で循環型の地方創生を推進しているこゆ財団です。代表の齋藤潤一さんは、お悩みピッチファシリテーター(「お世話役」)として、これまでともにコミュニティを支えてきてくれたひとりです。

そんなこゆ財団が主催する「L47ーLOCAL VENTURE STARTUP 2022ーKOYU SUMMIT」が11月3日に宮崎県新富町で開催され、その中で、お悩みピッチ こゆサミットバージョンが実現しました。



廃校を活用した宿泊交流拠点「OIWAKE SDGs PARK」がサミットの舞台に

販路開拓/拡大、チームづくり、新規産業開発とバラエティに富んだお悩み


こゆサミットのお悩みピッチでは、新富町で活躍する5人のビジネスオーナーがお悩み人として登場しました。ノンホモ低温殺菌牛乳(脂肪の均質処理をしない牛乳のこと)をはじめとした商品の製造・販売を行う松浦牧場の松浦千博さん、LPガスの販売から、給排水衛生設備をはじめとした公共工事などのインフラを担う斉田商事の代表・斉田知明さん、無農薬・無化学肥料・無加温で野菜をつくり、糠床とセットになった「腸活ミニ野菜」を販売するみらい畑の石川美里さん、栽培用ロボットの開発などを行なうAGRISTの秦裕貴さん、そして現在はこゆ財団で活躍し、将来は国産コーヒーの事業で起業を目指す、未来のビジネスオーナー・日高桃子さんです。中でも今回は、松浦さん、斉田さん、石川さんのお悩みにスポットを当て、現場の様子をレポートします。

まず、お悩みピッチのトップバッターを飾ったのは、酪農家である松浦さん。松浦さんのお悩みは「製品の認知拡大と販路の開拓」です。松浦牧場で作られているノンホモ低温殺菌牛乳「まつうらみるく」は評判を呼び、宮崎県内では知名度が広がりつつあるものの、全国展開はできていないとのこと。賞味期限が製造から1週間程度ということもあり、大手スーパーなどに卸すのは難しく、それ以外の方法を模索したいと思いを語りました。


全国から集まったビジネスオーナーを前に、トップバッターで緊張が見える松浦さん

続いてピッチのマイクを握ったのは地域密着型企業の経営者である斉田さんです。斉田商事は、「暮らしのホームドクター」と掲げ、LPガスの販売や公共工事を担うだけなく、お米の販売まで行っています。斉田さんはそんな同社を2年ほど前に会社を譲り受け、三代目として舵を切りはじめたばかり。代替わりを告げられてから就任までに時間もなく、突然経営者として会社に参画したために、社内コミュニケーションに悩みを抱えていると話します。また、自社の職人の高齢化が進み、現場を任せられる社員の減少に課題を抱きつつも新人育成に時間を割けないことなど、尽きない悩みを打ち明けました。


ピッチの際には少し不安な表情も見せていた斉田さん

そして、ミニ野菜づくりに挑む石川さんが抱えているのは、「顧客拡大」についての悩みです。農業未経験の石川さんが一念発起して新富町で畑を耕しはじめたのは、5年前のこと。試行錯誤の上でたどりついたのが、皮ごと食べられる「ミニ野菜」の栽培でした。オリジナル商品「腸活ミニ野菜」を購入してくれるファンを作るにはどうしたらいいか、マーケティングのアイデアを貸してほしいと訴えました。


ボーダレス・ジャパンのメンバーとして活動していた石川さんは、農業をやるために新富町に移住してきたそう

続くAGRISTの秦さんはチームづくりについて、日高さんは事例の少ない産業の開発について、それぞれお悩みを発表し、ピッチタイムは終了しました。

チームにわかれてディスカッションスタート



それぞれがグループになって制限時間ギリギリまで熱いディスカッションが繰り広げられていました

5人のピッチを聞いていたオーディエンスは、それぞれ「自らの経験が役立つはず」「助けたい!」と思ったお悩み人のもとに「お助け人」として集結。5つのグループにわかれて「お助けタイム」となるディスカッションがスタートしました。

販路拡大に悩む松浦牧場・松浦さんのもとには地域活性化センターの吉弘拓生さんや奈良県三宅町の町長を務める森田浩司さんなど、行政に強い面々が勢揃い。「ファンを増やしたい」「もっと広く知ってもらうためにはどうしたらいいか」という松浦さんに対し、SNS活用や販路拡大のためのアイデアを、過去の事例を交えて具体的に提示していきました。突飛なアドバイスや、資金のかかる提案などはせずに「今ある素材でできることを」という寄り添い方が印象的でした。


松浦さんのもとに集まったお助け隊は、自らのチームを「チーム行政」と呼び、ならではの意見を交わしていた様子

社内コミュニケーションに課題を抱える斉田さんのもとには、「団結するというのは地方の事業承継におけるリアルな課題」だと共感する面々から的確な助言が続々と寄せられました。えぞ財団の事務局長をつとめ、人事/組織づくりのコンサル事業も展開する佐藤彰悟さんは、組織と事業どちらもよくしていくのに必要なのは仕組みや定義といった「ものさし」と、飲み会や息抜きなどの「お祭り」だと持論を展開。それをきっかけに斉田商事が持つ「ものさし」と「お祭り」の現状と問題を洗い出すロジカルな話し合いへと発展していきました。


斉田さんの事業は新富町を支えている!とエールを送りながら、それぞれなりのアイデアを口にするお助け隊

「正直、崖っぷちです」。そう率直に語ったみらい畑の石川さんのグループには、三星グループの岩田真吾さんや、「オルシア」というタオルブランドで注目を集める丹後の丹後博文さんなど、多様なメンバーが集結しました。石川さんが売りたい商品「腸活ミニ野菜」は、みらい畑で作られたミニ野菜とぬか床(もしくは塩こうじ)がセットになって届くというもの。初回以降は野菜だけが定期便で送られてきます。

なかなかリピーターの獲得が思うようにいっていないという石川さん。「野菜を売りたいのか」「糠漬けの体験を売りたいのか」という「本質の追求」からスタートしました。お悩みにより輪郭を持たせた上で、お助け隊の各々が自身の経験を通したアドバイスを展開してきます。さまざまな意見を真摯に受け止める石川さんの姿勢に心打たれたお助け隊の何名かが、その場で商品を購入するといった場面も見られました。

「体験のシェア」だからこその価値


ディスカッション終了後、ふたたび全体で集まり、チームごとの総括が行われました。それぞれが導き出したアイデアや気づきが、参加者全員に共有されます。 

話のキーポイントとなった「CORE ISSUE」と、アドバイスを受けてお悩み人がたどり着いた「NEXT ACTION」をシートに落とし込み、参加者全員の前に提示するなど、工夫が施されていました。

例えば松浦牧場・松浦さんチームの販路拡大という課題に対して、お助け隊から提案されたネクストアクションへのアイデアは全国のシェフを新富町に招待して「食材ツアー」をしてはどうかというもの。これにはこゆ財団のメンバーからも「実現したい!」と前向きなコメントがあがりました。また、既存の顧客管理を徹底し、SNSなどを確実にチェックしてもらうようにするなど、明日から実践できそうな具体的な提案に、松浦さんも「すぐに取り組みたい」と意欲を見せていました。


松浦さんもネクストアクションへのヒントが見えて、晴れやかな表情に

斉田商事の斉田さんは、お悩み発表時の緊張した面持ちから一変、有意義な意見交換の場を持つことができたようで表情も晴れやかに再登場しました。社内コミュニケーションの問題は、どんな組織でも起こり得るもの。そんな中でお助け隊から提案されたのが「共通言語」と「共通体験」を活性化させることでした。斉田さんは「県外の会社にも行って話を聞くということをずっとしたかったが、コロナ禍で難しかった」と語り、今回のお悩みピッチはまさに望んでいた機会だったと、お助け隊の面々に感謝を伝えていました。


斉田さんのチームは、お助け隊のメンバーもみな、お互いの話からヒントを得られたと、有意義な時間を過ごせた様子がうかがえました

みらい畑の石川さんは、お助け隊との問答の中で「ミニ野菜自体を売りたい。そのために『腸活ミニ野菜』という商品を展開する」という目的と手段を改めて整理できたことが、大きな成果だったと語ります。さらに無農薬・無化学肥料・無加温にこだわる中で「それって儲かるの?」という言葉を投げかけられた過去を振り返りながら、「今回は皆さんが全肯定してくれて、前向きな議論ができたから活力が湧いてきた」と笑顔を見せていました。


イベント終了後には、チームメンバーの数名が「腸活ミニ野菜」を購入し、すぐに糠漬けに挑戦したことを報告しあっていました
 
こゆサミットのお悩みピッチで各チームに共通していたのは、「肯定」の精神。悩みに対して否定や疑問から入るのではなく、「やってきたこと/やりたいことを応援する」という前提のもと、「今から始められること」「実際にやってみたら楽しそうなこと」といった、ポジティブな提案がもとになった会話があちこちから聞こえてきていました。

お悩み人として登壇した5人のビジネスオーナーは、それぞれさまざまなアイデアを集め、ビジネスに対するモチベーションを高めていた様子でした。

特に参加者の心を強く打ったのが、お悩みピッチ第1回目にも参加いただいたお助け隊としてサツドラホールディングスの代表・富山浩樹さんの言葉です。

「改めて、お悩みピッチっていいなと思いました。アドバイスではなく、体験のシェアをする場。お助け隊として自分が体験したことをシェアすることで、もう一度その時のことを思い出し、気づきを得られるなと感じました」

お助け隊も“自身の体験を言語化しアドバイスに昇華する”という作業を行うことによって、これまでに解決してきた問題と、今抱えている課題を再確認できた様子でした。


過去のお悩みピッチにもお助け隊として参加してくれていた富山さんは、改めてこのコミュニティの意義を話してくれました

終了後、参加者から「お悩みピッチ」を自身の自治体や企業でもやってみたいという声が多く寄せられました 

今回のイベントで再確認できたのは、年代や性別、業種を超えた対話の中でこそ得られる学びがあるということ。各々が抱える課題を共有し、共に一歩前進するための場が「お悩みピッチ」です。「虎の巻」を参考に、ぜひこの「場」を体験してください。お悩み人、お助け隊、どの立場として参加しても気づきや次に向けてのヒントがあるはずです。Forbes JAPANとアメリカン・エキスプレスは、これからもお悩みピッチを通して経営者同士の助け合いが広がっていくことを心から願い、成長を目指す、すべての経営者をサポートしていきます。

過去のお悩みピッチはコチラ↓
https://forbesjapan.com/feat/amex2021_onayamipitch

そう、ビジネスには、これがいる。
アメリカン・エキスプレス


Promoted by Amex / text by 竹田磨央/ photographs by 中山雄太, cocoroé / edit by 千吉良美樹

ForbesBrandVoice