ライブネーションに関しては、以前から独占的地位を背景にコンサート会場の運営者らに同社傘下の「チケットマスター」のチケット販売システムの利用を強制しているとの批判が相次いでいる。
反トラスト法(独占禁止法)の推進者として知られるクロブシャー議員は、11月16日のライブネーションのマイケル・ラピノCEOに宛てた書簡で「チケット販売業界の競争の現状と消費者への悪影響」を取り上げ、同社が2010年にチケットマスターと合併した際の協定に違反していることを示唆した。
合併に関する上院の公聴会で、ラピノCEOは、「消費者が簡単にアクセス可能なワンストップのプラットフォームを提供する」と述べたが、クロブシャー議員は、彼がその約束を守っていないと述べている。
この書簡は、テイラー・スウィフトのチケットの問題については触れていないが、同社が公正なチケット価格を維持し、プラットフォームをアップグレードするために何をしたのかについて、さまざまな質問を浴びせている。
チケットマスターのサイトは15日、スウィフトがニューアルバム「ミッドナイツ」のリリースと同時に開始する全米ツアー「エラズ」の前売り券の発売を受けてクラッシュしていた。この問題について、チケットマスターは「歴史的に前例のない需要」の結果だと說明していた。
この件では、民主党のデイビッド・シシリーニ議員もチケットマスターを非難し、同じく民主党のアレクサンドリア・オカシオ・コルテス議員も、「合併を承認すべきではなかった」とツイートした。
チケットマスターは、1994年にパール・ジャムが同社を「絶対的な独占企業」として司法省に提訴して以来、長年にわたりその支配力をめぐる批判にさらされてきた。反トラスト小委員会の委員長であるシシリーニ議員らは、2021年に同社とライブネーションの合併について調査を要求し、チケットマスターが不正な転売行為を根絶することを目的としたプラットフォームを悪用し、自社サイトでのチケット購入を義務付けていると非難していた。
ホワイトハウスは、直近の議会で2つの法案を可決するよう働きかけている。その一つはクロブシャー議員らが発案したハイテク企業の独占的慣行を阻止するための法案の「American Innovation and Choice Online Act」で、もうひとつは、リチャード・ブルメンタール議員が発案したアプリ会社が開発者に自社のプラットフォームへの対応を強いることを防ぐための法案だ。
(forbes.com 原文)