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2022.11.21 10:30

中程度の運動で乳がん患者「死亡リスク低減」の可能性が判明

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運動と乳がん発症リスク低減の関連性は立証されているが、中程度の身体活動でも乳がんと診断された女性の死亡リスクを低減できることが新たな研究で明らかになった。

医学誌『JAMA』に11月17日発表された研究で、1996年から2012年の間に米カリフォルニア州で乳がんと診断された女性315人の死亡率は、身体活動に費やした時間が短いほど上昇することが明らかになった。

調査対象者のうち、自分を「活動的」と考える女性の死亡率は、1000人・年(分析した調査参加者の生きていた年数の合計)あたり12.9だったという。

死亡率は「まあまあ」身体活動をしている女性では1000人・年あたり13.4に、身体活動が「不十分」と考える女性では1000人・年あたり32.9に上昇した。

少なくとも、中程度に体を動かしていると答えた乳がん生存者の死亡リスクは「十分に体を動かしていない」人に比べて60%低い。この発見により、研究者は「中程度の身体活動であっても、生存期間をのばすだけでなく健康関連の生活の質を高めるのに不可欠である可能性がある」ため、乳がんケアに身体活動を取り入れるべきだと提言した。

この研究結果は乳がんと診断された女性の生存率向上と身体活動を結びつける説得力のある証拠のように思われるが、この研究が2つの大きな制限に直面したことを研究者らは認めている。1つは、参加者の食事に関する情報が欠けていること。もう1つは、定量的データを収集できるデバイスを使わず、身体活動レベルに関するアンケートによる参加者からの回答に頼らざるを得なかったことだ。

これまでの研究で、ある程度の身体活動が乳がん患者の死亡率を下げるだけでなく、乳がんの発症リスクも下げることが示されている。米国がん協会による2013年の研究では、1日1時間以上歩くことで乳がんの発症リスクを十分に下げることができ、週に7時間歩く女性は発症リスクが14%減少することが明らかになった。しかし、若い女性では運動量と乳がん発症はあまり関係がない可能性がある。『Journal of the National Cancer Institute』に1998年に発表された研究によると、高校時代と18〜22歳の間に週2回以上激しい身体活動をした女性のがん発症リスクは1.1%しか減少しなかったという。

米疾病対策予防センターのデータによると、米国では毎年約26万4000人の女性と約2400人の男性が乳がんと診断されている。乳がんにより毎年、全米で女性約4万2000人、男性約500人が死亡している。

forbes.com 原文

翻訳=溝口慈子

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