ビジネス

2022.11.18

TikTokに投稿される児童ポルノの監視を担う企業が撤退を宣言

Getty Images

TikTokなどのソーシャルメディア企業のコンテンツの監視を支援していたテレパフォーマンス社(Teleperformance)は、11月17日、この分野のプロジェクトの一部を停止すると発表した。
 
同社は3年前に「Trust & Safety」と呼ばれる部門を立ち上げ、人工知能(AI)が「最悪のコンテンツ」を見分ける能力を鍛えるという特別なプロジェクトを運営していた。しかし、8月のフォーブスの記事でテレパフォーマンスは、性的行為に及ぶ子どもたちの生々しい画像や動画を社員たちに確認させていると報じられた。
 
この件を問題視した上院の消費者保護委員会のリーダーである民主党のリチャード・ブルメンタール上院議員と共和党のマーシャ・ブラックバーン上院議員はテレパフォーマンスとその顧客企業に対して說明を求めていた。コロンビアの労働省も今月、テレパフォーマンスのモデレーターの悲惨な労働環境を報告した後、同社に対する調査を開始した。
 
テレパフォーマンスは、投資家からのプレッシャーを受けてTrust & Safetyの「極めて悪質な部分」から撤退すると述べたが、監視業務のすべてを停止するのかどうかは明らかになっていない。「当社は、株主と金融業界からのフィードバックを考慮した結果、Trust & Safety部門の一部の事業から撤退する」と、同社は11月15日の声明で述べている。
 
テレパフォーマンスはまた、「顧客とのパートナーシップによって、この分野で適切な代替策を講じる」と述べているが、同社もTikTokも、この件に関するコメント要請に応じていない。
 
テキサス州エルパソにあるテレパフォーマンスのTikTok部門で1年以上働き、2021年に退社したホイットニー・ターナーも、トレーニングの一環として、子供の性的搾取画像を見せられたことをフォーブスの取材に明かしていた。彼女は、今回の同社の決定を、当然のことと受け止めたと述べている。
 
「これまで行われていたすべての重大な過失を考えれば、納得するしかない 」と、彼女はフォーブスに宛てたテキストメッセージで語った。
 
forbes.com 原文

編集=上田裕資

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