フランスを本拠とするVianovaは、カタールやUAE、サウジアラビア、バーレーンでなどで展開中のマイクロモビリティの新興企業「Fenix」と提携し、マイクロモビリティとデリバリーのデータ分析を開始する。
Vianovaは、ネットに接続された車両からデータを収集し、道路状況を把握することで、車両の利用を効率化させ、渋滞の解消に役立てようとしている。同社は、これまでVoiやBoltなどの欧州のモビリティ企業や公共交通のオペレーターと提携を行っている。
VianovaのCEOのティボー・カスタニュ(Thibault Castagne)は、カタールでの展開は、ワールドカップの開催と同時に行われ、100万人の観光客が現地に押し寄せるタイミングと重なると述べている。
「当社は、世界のあらゆる都市の持続可能なモビリティをサポートする。特に、大規模なイベントが開催される地域では、交通インフラに大きな負担がかかるため、スタジアムなどの目的地へのスムーズな誘導が重要になる。中東のすべての地域でFenixと緊密に連携できることをうれしく思う」とカスタニュは述べている。
Vianovaの新たなパートナーのFenixは、アブダビを拠点に2020年に設立された企業で、eスクーター(電動キックボード)のレンタル事業やデリバリーサービスを手がけている。同社は、イスラエルのモビリティに特化したベンチャーキャピタルのManiv Mobilityの支援を受けている。
Vianovaのテクノロジーは、UAE、サウジアラビア、カタール、バーレーンの各都市で展開するFenixのサービスに統合される。
「当社とFenixは、テクノロジーとイノベーションを駆使して、都市交通をより安全で環境に優しく、効率的なものにしたいと考えている。当社のビッグデータプラットフォームは、それを実現するための最良のツールとなる」とカスタニュは述べている。
FenixのCEOのJaideep Dhanoaは、「我々は、都市のポテンシャルを引き出し、コミュニティを前進させるために、中東のモビリティ分野のスーパーアプリを構築しようとしている。その上で、鍵となるのは正しいデータを入手し、持続的な成長を可能にするインサイトを引き出すことだ」と話す。
Vianovaは、2019年の設立以来、100万台以上のコネクテッド車両からデータを収集したという。同社は昨年、300万ドル(約4億1700万円)を調達していた。
(forbes.com 原文)