W杯で注目浴びるカタールの人権問題、抗議行動に出る選手も

ArifAsif / Shutterstock.com

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サッカー・オーストラリア代表選手のジャクソン・アーバインは、カメラを見下ろし、穏やかな口調で要求を述べた。アーバインをはじめとするオーストラリア代表チームのメンバーが求めているのは、2022年のFIFAワールドカップ後も、「カタールに長期的なレガシー」を確実に残すことだ。

「これには、移民のための情報センター、自らの権利を否定されている人たちへの効果的な救済策、そしてあらゆる同性愛の非犯罪化が含まれなければならない」と、ドイツのクラブ「FCザンクトパウリ」に所属するアーバインは主張した。

「これらは、すべての人に与えられるべき基本的人権であり、カタールにおける継続的な事態の改善の後押しになるものだ」と、アーバインは述べている。

公開された動画には、オーストラリア代表チームの選手16人が登場し、カタールで11月20日から開催される2022年ワールドカップに出場予定の選手から発されたものとしては、これまでで最も強いメッセージを持つ声明となった。

声明は、労働条件を改善する法律などの形で、カタールでも「事態に進展はみられる」と認めながらも、移民労働者の「苦難」について懸念を表明した。さらに声明は、同性愛を禁じるカタールの法律についても触れ、LGBTIQ+の人たちが「自ら選んだ相手を愛する」ことができないと指摘している。

上記の問題だけでなく、「自分の人生に関する多くの重要な決断をする権利」が女性たちから奪われていることなど、その他の人権状況に関する懸念から、一部のサッカーファンからは、代表チームは今回のワールドカップをボイコットすべきだとの意見が噴出している。

11月に入り、「ボルシア・ドルトムント」「FCバイエルン・ミュンヘン」「ヘルタ・ベルリン」というドイツの3クラブのサポーターが、ワールドカップのボイコットを要求する横断幕をスタジアム内に掲出した。

英国で行われた世論調査では、同性愛者の権利に対するカタールの姿勢を理由に、「出場が決まっているイングランドおよびウェールズ代表チームは同大会に参加すべきではない」とする意見が、回答者の39%を占めた。
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翻訳=長谷睦/ガリレオ

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