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2022.11.21

男性も育休しやすい会社。育休取得者からの業務引継に10万円の報奨金

Getty Images

イクメンがもてはやされていた時代は、今や昔。今では男性の育児・家事への参加は特別なことではなく、ごく当たり前になりつつある。

一方で、男性の育児休業取得率は伸び悩んでいる。政府は2025年までに男性の育児休業取得率を30%まで引き上げることを目標に掲げているが、2022年7月に発表された「令和3年度雇用均等基本調査」での結果は13.97%。目標達成には遠い状況だ。

そんな中、斬新な育児支援制度を発表した企業がある。大和ハウスグループのコスモスモアだ。同社では、以前から様々な育児支援を実施してきたが、「職場に迷惑をかけたくない」という理由を筆頭に育児休業を諦める男性社員が後を絶たなかった。

そこでコスモスモアは男性社員の育児休業を促すため、「子育て休業応援手当」を創設。子育てや介護で休業する社員の担当業務を引き継ぎ、業務が増加した社員に対して、最高で月10万円の手当を最長6ヵ月まで支給するという。引き継ぎ者が複数名の場合には、部門長が業務負荷に応じて4万円、3万円、3万円などといった具合に10万円の中から引き継ぎ者に割り振る。

同社では他にも、配偶者の出産時に従業員へ付与される有給の特別休暇を1ヵ月間に拡充し、分割取得を認めたり、全従業員を対象とした育児休業についてのeラーニング研修を導入。社員とその家族がより産みやすい、育てやすい環境を作っていく。

これまでほとんどの企業において業務を引き継ぐ社員への対価は、感謝の言葉や人事評価などという形で支払われてきた。それらを月数万円の金銭的報酬に置き換えることは、長らく続いてきたやり方を変えるという意味でも、制度運用においても、容易くはないだろう。

同社の新たな取り組みが男性社員の育児休業取得へのハードルをどれくらい下げるのか、結果に期待したい。

参考:厚生労働省「令和3年度雇用均等基本調査」

文 = 大柏真佑実

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