ウクライナ戦争で「サイバー犯罪」増加か 被害拡大も国が動かない事情

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──インターポールのIGCIに約8年半。どのような組織でしたか?

どこの組織でも同じだと思いますが、能力が高い人も低い人もいました。常に限界に挑戦して勉強している人もいれば、ずっとコーヒーを飲んでいるだけの人も。パレートの法則(売り上げの8割は2割の社員が担う)でしたっけ。インターポールの名誉のために付け加えますが、私は過去にハッキングの世界大会決勝に残るレベルのハッカーを見てきましたが、そこと比べても遜色のない人もいますよ。

──サイバーセキュリティにおいて、日本はどんな印象ですか?

例えばコインハイブの件が無罪になりましたとか、そういう残念な摘発ばかりやっているなと見ていました。

※コインハイブとは、ウェブサイトの閲覧者の同意を得ることなく、閲覧者のパソコンで仮想通貨のマイニングを行わせるプログラムのこと。2022年1月に、コインハイブを自分のウェブサイトに組み込んでいた男性が、最高裁で無罪の判決を受けてニュースになっている。

──日本に帰るご予定は?

日本では、一般的に言われている"対策"に加えて、プロアクティブな対策(犯人に迫っていくなど)もほとんどできないので、面白そうなことはあまりないし、コロナのおかげで別に物理的な場所はあまり関係ないというのは証明されたので……。今のところ帰る予定はないです。IGCI本部があるシンガポールに残って、民間でサイバーセキュリティのインシデント対応などを行っていく予定です。

文=山田敏弘 編集=露原直人

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