そう言い切るのは日本一ノートを売る会社コクヨで働く下地寛也氏だ。トップ社員である彼自身が、コクヨ社内はもちろん、社外でも最前線で働くクリエイターやビジネスパーソンにインタビューを重ねてきた。そこから見えてきたことは、
トップクラスの人達は、メモを取り続けていること
そして、頭の中で考えるのではなく、書きながら考えていること
だった。
本記事では、『考える人のメモの技術』の著者である下地氏が、実際に集めたメモをベースに、あらゆる問題解決に効くメモ術を紹介していく。
ノートの使い方に関する疑問
ノートの使い方について、次のような話を聞いたことはないでしょうか。・ノートは1冊にまとめよう
・ノートはキレイに書くべき
・ノートは大きいサイズの方がいい
・内容は1ページにまとめる
「なるほど」と思いつつも、逆の意見を聞くことがあります。
・1冊にすると内容がごちゃごちゃになる
・なぐり書きでもスピーディに書く方がいい
・小さいサイズの方が持ち運びしやすい
・1ページに1つの内容だとスカスカになる
こちらも、ごもっともですよね。
これらの疑問に答えるべく、実際にコクヨの社員にヒアリングしてみました。
その結果はどうかというと…
インプットとアウトプットでメモを使い分ける
コクヨの社員はノートを2冊持っていて、使い分けている人が結構いました。1冊は、気になったことをメモするインプットメモとして、もう1冊は、企画などを考えるためのアウトプットメモとして使っていることがわかったのです。
トップの写真のような、「測量野帳(測量士のために発売されたミニノート)」(左)をインプットメモに、A4サイズヨコ向きで1枚ずつ切り離しができる「キャンパスノートパッド」(右)をアウトプットメモにしているという感じ。
コクヨでは、この2冊を使っている人がたくさんいます。
これは、スマートフォンとパソコンの使い分けにも似ています。
歩きながらもササッと使えるスマートフォンと、デスクでガッツリ仕事をするときに使うパソコンの関係です。
では、インプットとアウトプットで書き方の違いは?
インプットメモは、持ち運びやすいサイズですぐに書けることが大切です。見返すためにある程度キレイに書いた方がいい。気づいたことをメモする程度なので、ノート1ページを1つの内容にするということを意識する必要はありません。他方、アウトプットメモは発想を広げるために、ノートはある程度大きいサイズの方がいい。
考えたことをドンドンスピーディに書くために、字はなぐり書きで多少汚くてもOK。ただ、情報を一覧でみられるように1ページで1つの内容をまとめる方がいい。
こうするとノートの使い分けの考え方がスッキリするのではないでしょうか。
普段からインプットの量を増やしたい。しっかりアウトプットを出していきたいという人は、2つノートの使い分けてみてはいかがでしょうか。
『考える人のメモの技術』では、今日から使えるメモの技術をたくさん紹介しています。ぜひチェックしてみてください。
(本原稿は、下地寛也著『考える人のメモの技術』から一部抜粋・改変したものであり、「ダイヤモンド・オンライン」からの転載である。)