大麻の喫煙はタバコよりも肺に有害、北米放射線学会が発表

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米国では19歳から30歳の若年成人の40%以上が過去1年以内に大麻を使用したことがあると回答してるが、北米放射線学会(RSNA)が発表した研究レポートで、大麻の喫煙者はタバコの喫煙者よりも肺気腫や気管支炎の発症例が多いことが示された。

北米放射線学会は、大麻喫煙者56名、非喫煙者57名、タバコのみの喫煙者33名の胸部CTスキャン画像を調査した。その結果、大麻喫煙者の方が肺気腫の割合が高いことが示された。

また、大麻の喫煙者の75%が肺気腫を患っていたのに対し、同じ症状を発症したタバコのみの喫煙者の割当は67%で、非喫煙者の場合は5%だった。また、大麻の喫煙者は肺気腫だけでなく気管支炎を発症するケースも多かった。

カナダのオタワ大学の教授で心臓胸部放射線科医のGiselle Revahは、大麻の喫煙が身体に及ぼす影響については「ほとんど分かっていない」ため、少ないサンプル数ではあるが、研究を行うことにしたと11月15日の発表で述べている。

Revahは、肺気腫の症例が増える原因として、大麻がフィルターなしで吸われることや、一般的なタバコよりも長い間、息を止めて吸われることなどが考えられると述べている。

米国国立衛生研究所が8月に発表した調査によると、19歳から30歳の若年成人の43%が、過去1年以内に大麻を使用したことがあると回答していた。

2022年に米国で合法的に販売された、娯楽用及び医療用大麻の売上高は330億ドル(約4.6兆円)に達すると予測されている。

民主党のジェイミー・ラスキン議員と共和党のナンシー・メイス議員は、15日の公聴会で、連邦レベルで大麻を非犯罪化した場合の有益性について議論する予定だ。

米国では今回の中間選挙でメリーランド州とミズーリ州で合法化が決定され、娯楽用大麻を合法化した州は21州に達している。大麻の長期的な健康への影響は、タバコと同様には研究されていないが、疾病管理予防センター(CDC)は、大麻を吸うことが肺組織に害を与える可能性があることを指摘している。CDCは、2019年に4820万人以上が少なくとも一度は大麻を使用したと推定している。

forbes.com 原文

編集=上田裕資

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