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2022.11.21

数字でみる「史上最高額」のサッカーW杯、カタール大会

Getty Images

中東の小国カタールの財務相は2017年、自国が世界最大規模のスポーツイベントの開催に向け、道路整備やホテル、スタジアムの建設、空港の改修など、インフラ整備に毎週5億ドル(最近の為替レートで約700億円)を費やしていることを明らかにした。

11月20日に開幕したサッカー・ワールドカップ(W杯)カタール大会は、間違いなく史上最も高額の費用をかけたワールドカップとなる。同国は2010年末にW杯の開催国に決定して以降、準備に総額およそ2200億ドルを注ぎ込んだとされている。これは、2018年のロシア大会の開催にかかった費用の15倍以上にあたる金額だ。

一方、カタールはこの巨大プロジェクトを推進するなかで、過酷な環境と最低限の賃金で働いていた数百、あるいは数千人の労働者たち(大半を外国人が占める)が死亡したことについて、各国から厳しい目を向けられている。

カタールがW杯開催を目指し、FIFAがそれを容認するという大胆な賭けが、同国または同組織に良い結果をもたらすのかどうかは、いまなお明らかではない。

ただ、どのような論争が巻き起ころうと、29日間にわたって行われるカタール大会の間に動く巨額の資金(投資される金額、支払われるスポンサー料、賭けられる金額、得られる収益)に、影響が及ぶことはほとんどないだろう。

以下、カタールW杯に関連するいくつかの「重要な金額」のうち、一部をご紹介する。

4200万ドル(約59億円) ──優勝チームに与えられる賞金の総額。選手たちが受け取る割合は、FIFAではなく優勝したチームが決める。

1億2800万ドル ──世界で最も稼ぐサッカー選手、フランス代表のキリアン・エムバペの推定年収。今大会でのフランス代表の成績によって、さらに幾らかのボーナスを手にする可能性もある。

キリアン・エムバペ
キリアン・エムバペ(c)Getty Images

フォーブスの調査では、パリ・サンジェルマン所属のエムバペの選手としての2022~23年シーズンの収入は、およそ1億1000万ドル。また、複数のスポンサー契約から、合わせて約1800万ドルを受け取るとみられている。

2億900万ドル ──W杯出場国の代表チームに選手を送り出したサッカークラブに、FIFAが提供する金額。FIFAは代表選手1人につき、1日あたり約1万ドルを所属クラブに支払う。FIFAの出資額は、2014年開催のブラジル大会と比べて3倍に増えている。
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編集=木内涼子

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