コロナ禍で起きる「トリプルデミック」、子どものリスクが上昇

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米国では、新たに承認され、使用可能になった新型コロナウイルスの「二価ワクチン」の接種率は、ひどく低いままだ。この冬も、感染状況は大変なことになるかもしれない。

子どもたちには「免疫負債」がある?


子どもたちは現在、「免疫負債を抱えている」と主張する人たちがいる。新型コロナウイルスの感染対策として、マスクの着用やソーシャルディスタンスを取ることなどが推奨されてきたことにより、ほかのウイルスに接していないためだという。

だが、実際には「免疫負債」などというものは存在しない。暴露したウイルスの量が少ないからといって、免疫系が弱くなったり、機能が損なわれたり、未熟になったりすることはない。もちろん、子どものうちにウイルスに暴露すれば、一定期間はそのウイルスへの抗体が保たれる。ただ、その大半は永久に維持されるものではない。

「3種類のウイルス」感染の症状


新型コロナウイルスとインフルエンザウイルス、そしてRSVが引き起こす呼吸器症状は、一見よく似ている。だが、いくつかの違いはある。カリフォルニア大学デービス校のディーン・ブルンバーグ教授(小児感染症)は、それぞれの主な症状として、以下を挙げている。

・新型コロナウイルス──発熱・悪寒、呼吸器症状(咳、のどの痛み、鼻水)、味覚・嗅覚障害、倦怠感、筋肉痛や体の痛み、頭痛

・インフルエンザウイルス──突然の発熱・悪寒、呼吸器症状(咳、喉の痛み、鼻水)、筋肉痛、頭痛

・RSV──鼻水、咳、発熱、喘鳴(ぜいめい、気道が慢性的な炎症で狭くなることで聞こえる異常な呼吸音)、食欲減退

この冬、感染を防ぐための方法として検討すべきものは、やはり「屋内ではマスクを着用」することだろう。マスクが感染リスクを引き下げることは、明らかに示されている。

forbes.com 原文

編集=木内涼子

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