もちろん注意しなければならないのは、このアイデアが独占契約として提案される可能性があるということだ。たとえば、Twitterからの収益の中から55%を受け取ることに同意すると、自分のコンテンツをYouTubeにアップロードできなくなるといったことだ。これは、すでにYouTubeの視聴者層を確立しているクリエイターにとっては大きなリスクであり、特にマスク時代になって広告主が逃げ出し始めていることを考えると、Twitterの広告がYouTubeの広告と比べてどのような収益をもたらすかはまったくわからない。もし独占契約であれば、不確定要素が多いので、クリエイターにとっては大変なことだと思われる。
Twitterはすでに、Blueユーザーが長時間の動画をアップロードし、その画質を1080pに引き上げ、収益化できるようにする動きを見せている。このため、マスクの他の多くのアイデアとは異なり、このことは本当に実現する可能性がある。しかし、このアイデアにはいくつかの点で疑問が残る。特に、Twitterに長時間の高画質動画の大量アップロードをサポートする技術的バックエンドがあるかどうかだ。これまでのところ彼らの動画品質は、お粗末と言って過言ではないものだった。また、同社は大量のエンジニアを含む社員の半数をレイオフしたばかりで、このプロジェクトの安定的な運営を誰が行うのかは疑問だ。
そして、Twitterの収益問題がある。YouTubeやTwitchにはない問題だが、Twitterの主要な広告主がどんどんサイトから脱落していく中で、広告はいくら支払うことになるのだろうか? また、マスクがすでに倒産の危機に瀕している可能性があると発言し、現在はTesla(テスラ)株を売って維持している現状で、Twitterは本当にどれだけの収益をクリエイターにばらまかなければならないのだろうか?
私は、いつかTwitterでコンテンツをマネタイズすることを、クリエイターが考えてはいけないと言っているわけではない。しかし、マスク時代のTwitterの現状を考えた場合、これを少しでもちゃんとしたものにするためには、あらゆる不確定の要素が揃わなければならない。なので、このアイデアには過剰なほど慎重にアプローチせよと言いたい。
(forbes.com 原文)