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2022.12.07 16:00

プライベート市場への投資機会を 日本の個人投資家向けに切り開く

世界有数の投資運用会社・ブラックストーンは、主に機関投資家に限定されていたプライベート市場への投資機会を日本の個人投資家へ拡大する。世界経済の不確実性と公開市場のボラティリティが高まる現在、日本の投資家には新たな選択肢となるだろう。


変動する市場のなかでの選択肢
プライベート市場への投資


世界的に金利が上昇し株式市場の不安定さが増す現在、日本においてもインフレが進み、食料品や燃料など物価の高騰が続いている。こうしたなかで、金融資産として現金を多く保有する日本の投資家は、世界的な購買力低下の影響を受けている。多くの投資家が、激動する市場環境下で株式と債券から構成される古典的なポートフォリオがもはや有効ではないことを認識しつつある。

1兆ドル規模の運用資産残高を有する世界最大級のオルタナティブ投資運用会社、ブラックストーン・グループ・ジャパン代表取締役 兼 不動産部門代表の橘田 大輔は、現環境下でのプライベート市場への投資メリットについて次のように語る。

「非上場不動産はインフレヘッジとして有効とされ、ポートフォリオの分散や株式市場及び上場資産への投資よりも値動きを抑えつつ、安定した収益を投資家へ提供できると考えます。上場資産は、不動産市場全体のほんの一部に過ぎません。大半の不動産はプライベート市場で取引されているのです。上場市場だけを見ていては、プライベート市場での魅力的な投資機会を見逃してしまいます」


ブラックストーン・グループ・ジャパン 代表取締役 兼 不動産部門代表 橘田大輔

ブラックストーンは厳選されたテーマに基づいて投資を行うことで、強固な不動産ポートフォリオを築いている。

同社の米国の不動産ポートフォリオにおいてパフォーマンスが最も高い二つのセクター、物流施設と賃貸住宅に焦点を当てた投資をしているのもその一例と言えるだろう。これらのセクターはこれまでもインフレを上回るペースで成長を遂げているが、同社では資産がインフレと金利上昇の圧力にさらされている現在、賃貸借期間が短い不動産はさらに魅力的な投資先になると考えているという。

また、体験型の旅行もグローバルで重要な投資テーマの一つである。ホテルやエンターテインメント・リゾートといった多岐に渡る分野に投資しているが、これは、世界的に旅行需要が回復してくることを見越してのことだ。

昨年には、近鉄グループホールディングスから日本の人気観光地に位置する8つのホテル・ポートフォリオも取得した。グローバルなホスピタリティの知見を活用し、施設の改修や運営の改善に取り組み、宿泊体験をよりよいものへと変革していきたいと意欲的だ。


日本の個人投資家に向けて
投資戦略の提供を拡大


ブラックストーンは日本にとってもなじみの深い企業だ。37年前の創業以来、同社は日本企業と強い関係を築いてきた。創設期の投資家のリストには日本企業も名を連ねている。

2007年にブラックストーンは東京オフィスを開設した。以来、不動産とプライベート・エクイティ領域で確固たる地位を築き、日本の投資家のために資本を管理し、大手企業から信頼できるパートナーとして高い評価を得てきた。会社分割やカーブアウトに取り組み、日本企業から事業や不動産を購入し、これらの付加価値向上を支援している。

ブラックストーンが目指すのは、日本の個人投資家により多くの選択肢を提供することだ。これまで、プライベート市場への投資は十分な資金を有する特定の投資家に限定されてきた。しかし、ブラックストーンのようなグローバルな運用会社が率先して個人投資家のアクセスを拡大することで、その状況は変化しつつある。

同社は2020年に、日本でプライベート・ウェルス・ソリューションズ(PWS)部門を立ち上げた。日本でも業界内の信頼関係を構築していくため、資産運用業界で15年以上の経験を有する藤田薫を責任者に迎えた。そして22年4月、野村グループと協業し、世界水準のプライベート不動産戦略を投資対象とする日本初の公募投資信託を日本の幅広い個人投資家向けに提供し始めた。

「これまで主に機関投資家にアクセスが限定されてきたブラックストーンの投資戦略を個人投資家にも提供していくことで、当社は日本のオルタナティブ投資のパイオニアを目指します」と藤田は語る。

「世界有数の機関投資家から長年支持されてきたブラックストーンの戦略を個人投資家に届けるために商品の利便性を高め、日本の大手金融機関と協働しながら提供していきます。当社は世界的に販売の担い手向けの教育に力を入れているほか、投資家の皆様にオルタナティブ投資をより理解してもらうために必要なリソースや情報をさまざまな形で提供しています。このような取り組みは、オルタナティブ投資が未だ広く浸透していない日本のような市場では特に重要です」


ブラックストーン・グループ・ジャパン プライベート・ウェルス・ソリューションズ部門 責任者 藤田 薫

世界に先駆けて
オルタナティブ投資を変革


ブラックストーンは2011年に、個人投資家に特化したオルタナティブ投資戦略を組成するための専門チームとそのインフラを構築するため、米国でPWS部門を立ち上げ、世界的に個人投資家向けのオルタナティブ戦略の提供を拡大している。

2007年の上場時に、同社の運用資産残高に占める個人投資家の割合は11%であったが、2022年9月時点では25%に増加し、これは約35兆円に相当する。

日本では、プライベート資産への投資は一般的に私募投資信託に限られていた。そのため資金の出し手は主に機関投資家に限定されていた。今回、公募投資信託でプライベート資産への投資機会を提供するという画期的な動きにより、より多くの個人投資家によるプライベート資産への投資が可能となった。

加えて、今年、金融庁がいわゆる「プロ投資家」になるための要件範囲を拡大し、個人のプロ投資家向けの新しい特定投資家私募制度が導入された。「個人投資家がオルタナティブ資産を含む金融商品に投資することを促進するために重要なステップである」と藤田は述べる。

「当社は日本の個人投資家が、プライベート不動産戦略以外にもプライベート・エクイティやプライベート・クレジットなどの世界有数の機関投資家から高く支持されてきた、差別化された投資戦略にアクセスできるよう、その門戸を広げていけるよう尽力してまいります。今後、リスク許容度のある個人投資家向けにさらに多くの投資機会を創出していけることを楽しみにしています」

世界最大級のオルタナティブ投資運用会社 ブラックストーン


ブラックストーンは1985年にスティーブン・シュワルツマンとピーター・ピーターソンが設立した米国の投資運用会社であり、9,510億ドル(約138兆円、2022年9月30日時点)の運用資産残高を有する。

同社は主要地域でプライベート・エクイティ、不動産、クレジット、ヘッジファンドを含む資産クラス全体への投資を行う。不動産分野ではグローバルで5,650億ドル(2022年9月30日時点)の資産価値に相当するポートフォリオを保有し、世界最大級の不動産オーナーである。

橘田は同社の強みについて次のように述べる。

「ブラックストーンが有するスケールと各事業領域の専門知識により、当社は全戦略で250社程度の投資先企業を有し、1万2,000件を超える不動産を保有しています。これにより、世界中の市場から圧倒的な量の洞察を得ることができ、よりよい投資判断をすることができます。トレンドやパターンを素早く把握し、確信がもてるので素早く投資を実行できるのです」


本記事の掲載内容は、将来予測に関する記述や投資助言、投資推奨ではありません。本記事で紹介した見解はBlackstoneによるものにすぎず、予告なく変更されることがあります。

Blackstone

https://www.blackstone.com/jp/


きった・だいすけ◎ブラックストーン・グループ・ジャパンの代表取締役/シニア・マネージング・ディレクターであり、日本における不動産事業の責任者。2008年入社以来、さまざまな不動産投資案件の発掘や投資の実務に携わる。ブラックストーン入社以前は、ドイツ銀行で国内の不動産取引の組成・執行を担当。米コーネル大学ホテル経営学部卒。

ふじた・かおる◎ブラックストーン・グループ・ジャパンでプライベート・ウェルス・ソリューションズ部門の責任者/マネージング・ディレクターを務める。2005年フィデリティ投信に新卒入社。日本市場に主にアクティブ運用の投資信託を導入及び推進することに多方面から貢献。20年にブラックストーン・グループ・ジャパンに参画。

Promoted by ブラックストーン・グループ・ジャパン │ photographs by Shuji Goto │ edit by Akio Takashiro