経済・社会

2022.11.15 16:15

世界人口が80億人到達、来年はインドが世界1位の見通し

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Aleksandr Ozerov / Shutterstock.com

国連の推計によると世界の人口は11月15日に80億人に達する見通しという。この節目は、世界人口が70億人に到達してからわずか11年後のことであり、継続的な人口の増加は、平均寿命の上昇に起因するものとされる。

今後の世界人口は2030年には85億人、2050年には97億人に達し、2080年代には104億人のピークを迎え、2100年までその水準で推移すると、国連は推定している。

また、2050年までの世界人口増加の半分以上は、コンゴ民主共和国やエジプト、エチオピア、インド、ナイジェリア、パキスタン、フィリピン、タンザニアの8カ国に集中することになるという。

世界の平均寿命は2019年の72.98歳から2050年には77.2歳に上昇し、高齢化も顕著になると予測されている。また、65歳以上人口の割合は2022年の10%から2050年には16%に増加し、その数は5歳以下の子どもの約2倍で、12歳以下の子どもとほぼ同じ水準になると国連は推計している。

この人口動態の変化は各国にとって大きな課題であり、国連は高齢化が進む国々に対して、社会保障や年金制度などの公共プログラムの整備を促している。

世界の人口は現在も増え続けているが、成長は鈍化しており、国連は90億人に達するのが今から15年後の2037年になると予測している。また、世界人口の約3分の2が人口を維持するのに十分な出生率を持たない国や地域に住んでいるとされ、61の国や地域では2050年までに1%以上減少すると予測されている。

国連は、ブルガリア、ラトビア、リトアニア、セルビア、ウクライナが2050年までに、20%以上の人口減少に直面すると予測している。

インドが来年、中国を抜いて世界1位に


また、2023年にはインドが中国を抜いて世界で最も人口の多い国になる見通しだ。現在のインドの人口は約13億9000万人、中国は約14億1000万人で、3位の米国の4倍以上の人口を抱えている。しかし、中国の人口は今世紀末には激減し、現在の半分になると予想されている。一方、サハラ砂漠以南のアフリカ諸国の人口は、2100年まで成長を続ける見通しだ。

米国の人口は現在約3億3000万人で、世界3位だが、2050年までにナイジェリアに次ぐ4位になると国連は予測している。さらに、2080年にはパキスタンに抜かれ、2100年にはコンゴ民主共和国に次ぐ6位になると予測されている。

下記に国連が推計した、世界人口の上位10カ国の推移を掲載する。

2022年:
中国
インド
米国
インドネシア
パキスタン
ナイジェリア
ブラジル
バングラデシュ
ロシア
メキシコ

2050年:
インド
中国
ナイジェリア
米国
パキスタン
インドネシア
ブラジル
コンゴ民主共和国
エチオピア
バングラデシュ

2100年:
インド
中国
ナイジェリア
パキスタン
コンゴ民主共和国
米国
エチオピア
インドネシア
タンザニア
エジプト

forbes.com 原文

編集=上田裕資

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