テクノロジー

2022.11.16 08:15

好きな方向から視聴できるマルチアングル映像配信がより手軽になった「SwipeVideo」

リリースベース(松村)
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公式動画より

たとえば野球中継で、バックネットに設置されたカメラだけではなく、一塁側や三塁側の内野席からとか、フィールド全体を俯瞰できる角度からとか、自由に好きな視点に切り替えて観戦したいと思うことはないだろうか。それを実現してくれるマルチアングル動画配信が、じつはすでにサービスを開始している。AMATELUS(アマテラス)が提供する「SwipeVideo」(スワイプビデオ)というシステムだ。

今年7月には「第150回 全英オープンゴルフ」をテレビ朝日と共同で、同じく7月の「世界選手権壮行試合 日本代表紅白戦」を日本バレーボール協会と共同で、8月に行われた「SBC ドリームテニスツアー」をTBSと共同で、10月の「JAPAN OPEN 2022 フィギュアスケート」をテレビ東京と共同で、マルチアングル動画配信している。このほかにも、教育や娯楽分野でも数多く活用されている。



マルチアングル動画配信は世界各国で研究が進められているが、視聴者が自由に視点を変えられるタイプのものは限られる。データ容量が膨大になってしまうため技術的に難しく、視聴者が切り替えられるとしても、生配信や長い動画では不可能だった。だがSwipeVideoは、数々の特許技術によってそれを可能にした。しかもカメラの台数に制限がない。また視聴者側は、専用アプリをインストールする必要もなく、スマホ、タブレット、PCのブラウザーでURLにアクセスするだけで見ることができる。好きなタイミングで画面をスワイプすればアングルが切り替わるのだ。さらに、生配信中の映像を「巻き戻し機能」で少し前に戻り、別のアングルで見直すことも可能だ。

こちらのURLで実際に試すことができる。



SwipeVideoを開発し提供するAMATELUSは、このほど三菱UFJ信託銀行を引受先とした第三者割当増資による4億1000万円の資金調達を実施した。テレビでSwipeVideoを視聴できるシステムにも着手したとのことで、もっと身近なマルチアングル配信の時代が近づいている。

SwipeVideoのマルチアングル動画配信によるスポーツ中継は、次は来年の1月に開催される「名古屋フィギュアスケートフェスティバル」で体験できる。メイン画像、氷上撮影カメラ3アングル、選手出入口カメラ1アングル、バックヤード選手リポートカメラ1アングルの合計6つのアングルが楽しめるというので、試してみてはどうだろう。

文 = 金井哲夫

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