新型コロナで減っていた米国への留学生数回復、ただし中国からは減少の一途

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米国際教育研究所(IIE)が発表した「Open Doors」レポートによると、米国への留学生の入学者数は新型コロナウイルス感染症のパンデミック前の水準に戻った。2020-2021年度に15%減少した外国人留学生の総数は、2021-2022年度には約4%増えて94万8519人だった。

「歴史が示すように、国際交流は立ち直る」とIIEで研究・評価・学習部門の責任者を務めるミルカ・マーテルは話す。「新型コロナのパンデミックの発生から2年足らずで学生の動きは回復した」と指摘する。

しかし、中国は米国にとって依然として最大の留学生供給国だが、中国からの留学生は9%減った。これは2020-2021年度の15%減に続く減少だ。

Open Doorsレポートによると、中国からの留学生の減少は学部生の13%減、OPT(大学卒業後に専攻と関連する分野で企業研修を行える制度)での22%減によるもので、大学院生が4%増加したことで減少はいくらか緩和された。

2021-2022年度に米国への留学生が19%増加した中国とインドは、米国への留学生全体の52%を占めている。

また、留学による学部1年への入学者数は20%増加したが、学部生全体の留学生数は4%減少しており、パンデミックのために米国を離れた学部生が戻ってきていない可能性があることを示している。加えて、米国への留学生数は2015-2016年度に初めて達成し、2019-2020年度まで維持された100万人を下回る状態が続いている。

大学院留学生の数が最も回復し、17%増えてパンデミック前の水準を上回った。これにより、10年ぶりに留学生の中で大学院生が学部生を上回った

報道によると、2021-2022年度の留学生の米国経済への貢献額は338億ドル(約4兆7305億円)で、前年度より100億ドル(約1兆4000億円)以上増加した。しかし、2018-2019年の貢献額447億ドル(約6兆2560億円)を大きく下回ったままだ。

forbes.com 原文

翻訳=溝口慈子

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