ニューメキシコで発掘された古代のインコの骨は絶滅した米国産のものだった

ハシブトインコ(学名、Rhynchopsitta pachyrhyncha)


このインコの自然史的特徴を踏まえ、モレッティはニューメキシコ州、アリゾナ州の松林と、ハシブトインコの残骸が発掘された遺跡との位置関係を調査した。考古学データを調査した結果、ニューメキシコ州とアリゾナ州の計10カ所の遺跡で、ハシブトインコの残骸が明確に同定されていた。

さらに、これらの古代人住居すべてに、松材で作られた建造物があり、ある特徴的な遺跡は推定5万本の樹木で建築されていた。これらの古代遺跡の半数が、ポンテローサ松、ダクラスファー、ガンベルルオークなどの山地性針葉樹林の中あるいは近く(0〜10キロメートル)にあった。モレッティは、木材を集めたり切ったりしながらハシブトインコを捕まえている古代の人たちの姿を想像した。

「この論文は、これらのインコが商品ではなかったという仮説に基づいています」とモレッティは説明した。「彼らはこの地域に住み、見つけられ、捉えられ、家に持ち帰られた動物たちです。ここの山々に住むリスなどのほかの動物と同じように」

総合的に見て、この論文はハシブトインコが歴史的に米国南西部におそらく(少なくとも季節によっては)住んでいたことを示す有力な証拠を提供している。これはこの絶滅危惧種の保護に関する重要な意味をもつ発見だ。

論文:John A. Moretti (2022). An ancient Thick-billed Parrot (Rhynchopsitta pachyrhyncha) from southeastern New Mexico with a review of archaeological occurrences in the American Southwest, The Wilson Journal of Ornithology, 134(3):438-454 | doi:10.1676/21-00078

forbes.com 原文

翻訳=高橋信夫

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