米中間選挙、若者の投票が共和党の「赤い波」を阻止

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2022年の中間選挙から数日、議会の勢力図はまだ確定していないが、最近の米国史の中で最も異常な選挙となったことについて、今回の選挙は2つの点が際立っている。

第1に、共和党が下院の決定的な支配権を得るための勝利を重ねることを期待した、よく言われる「赤い波」は起こらなかった。そして第2に、重要なレースで民主党に投票した若い有権者の強い支持率が、流れを変えることになった。

タフツ大学のセンター・フォー・インフォメーション・アンド・リサーチ・オン・シビック・ラーニング・アンド・エンゲージメント(CIRCLE)の推計によると、2022年の中間選挙では若者(18~29歳)の27%が投票に出かけ、過去30年間の中間選挙の若者投票率としては、2018年の歴史的投票率31%に次ぐ高さであった。今回の中間選挙では、若者による投票が全体の12%を占め、2014年および2018年の中間選挙における若者の投票率13%とほぼ同じだった。

「若者は投票に行き、選挙結果に影響を与えることを改めて証明し、2022年の投票率は中間選挙でこれまでで最高の水準です」と、CIRCLEのニューハウス・ディレクターであるケイ・川島・ギンズバーグは述べた。「多くの州で、若者は選挙法改正による参加への直接的な障壁や、若者の登録への強力かつ継続的な投資の欠如を克服しました。すべての若者が民主主義において発言できるよう支援を強化することで、若者の高い投票率という傾向を継続することへの大きなニーズと並外れた可能性が存在します」

下院


若者の投票は、圧倒的に民主党に集まった。例えばABC、CBS、NBC、CNNのために行われたエジソン・リサーチ・ナショナル・エレクション・プールの出口調査によると、全米で18歳から29歳の有権者は下院の争いで63%対25%の差で民主党に投票した。一方、45〜64歳の有権者は54%対44%の差で共和党を支持し、65歳以上の有権者は55%対43%の差で共和党を支持した。

今回の中間選挙では、初のZ世代候補が議会に選出された。フロリダ州第10選挙区では、25歳のコミュニティオーガナイザーであるマックスウェル・フロストが、マルコ・ルビオ上院議員を落選させようと挑んだヴァル・デミングスの後を継いで当選した。

上院


上院のいくつかの激戦区でも、傾向は同じだった。

・ペンシルベニア州では、18~29歳が70%対28%の差でジョン・フェッターマンを支持し、メフメト・オズを上回った
・アリゾナ州では、マーク・ケリー(76%)がブレイク・マスターズ(20%)を56ポイントも上回り、若者票を獲得した
・ネバダ州では、若者票はアダム・ラクサルト(31%)に対してキャサリン・コルテス・マスト(64%)が2対1以上の差で優勢だった

12月の決選投票に向かうジョージア州上院選では、18〜29歳の若者ではラファエル・ウォーノック(63%)がハーシェル・ウォーカー(34%)に29ポイントの差をつけている。
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翻訳=上西 雄太

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