ビジネス

2022.11.15 10:25

ベースフードが上場 社員の起業家精神を育てる「余白の文化」

BASEFOODのCEO橋本舜(撮影=林孝典)


ターニングポイント3 米国から一時撤退


BASE FOODはコロナ禍でも好調を維持していた。2021年1月に都内の「ゴールドジム」の14店舗で、また同年3月にはコンビニでパンの販売を開始。2021年7月までの1年間の販売個数は、前年同期比で3.7倍の約750万食に伸びた。その2カ月後の9月には1000万食に達した。短期間に250万食、販売個数を伸ばしたことになる。
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しかしその裏で、橋本は重い決断に踏み切っていた。2019年9月からスタートした米国子会社での生産、販売から一時的に手を引いたのだ。

橋本はこう振り返る。

「この出来事によって、米国のメンバーを解雇することになりました。米国チームは僕が現地に行ってリードしていたので、新型コロナウイルスの影響による入国制限によってそれができなくなりました。仕方がなかったといえばそれまでですが、やっぱりそういう重い決断はしたくないと思いました。
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事業の成長性やお金のコントロール、採用といったことをよりシビアに考え、危機的な状況に極力陥らないようにしようという意識が芽生え始めました」

重い意思決定が、橋本の経営姿勢をより強固にしたのだ。

「主食をイノベーションし、健康をあたりまえに。」という自社のミッションを着実に浸透させてきたBASE FOOD。社長である橋本の合理的で健康な「余白」を重んずる経営が、上場後の成長にどう作用するのか、注目していきたい。

文=露原直人 撮影=林孝典

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