暗号通貨業界「破綻のドミノ」の可能性、バイナンスCEOが警告

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世界最大の暗号通貨取引所のジャオ・チャンポンCEO(通称CZ)は、「FTXの破綻の影響が別の取引所を襲うかもしれない」と述べ、「明らかな問題が発覚した」と警告した。

「取引所が、ウォレットの健全性を実証する前または後に大量の暗号通貨を移動しなければならない場合、それは明確な問題の兆候だ。近づかないようにしよう」とCZは、11月13日にツイートした。

彼がこの投稿を行ったのは、Crypto.comが3億6000万ドル(約500億円)相当のイーサリアムを同業の取引所のGate.ioに送金していたことが問題視されたのを受けてのことだ。

Crypto.comのCEOのクリス・マーサレクは、10月21日のこの送金が、「不注意によるもので、最終的には元のストレージに返金された」と述べ不正行為を否定した。

「新しいコールドストレージアドレスへの移動のはずが、誤ってホワイトリストの外部取引所アドレスに送られた。Gate.ioのチームと協力し、資金は当社のコールドストレージに戻された」と、マーサレクは13日に投稿した。

先週のFTXの破綻を受け、暗号通貨の取引所は、顧客による出金要請に十分対応できることを示す「準備金証明」の圧力にさらされている。Crypto.comは、他の取引所と同様な監査済みの準備金証明を開示する予定だと10日にツイートした。しかし、Crypto.comが発行するCROトークンの価格は、ここ1週間で50%も暴落した。

さらに、一連の資金の動きについてツイッター上では、Gate.ioがCrypto.comの資金を借りて準備金証明を粉飾したのではないかとの憶測が流れている。Gate.ioは、Crypto.com からの送金の1週間後に準備金証明のスクリーンショットを公開していた。

FTXの破綻の引き金を引いたのは、同社が発行するコインのFTTに流動性の懸念が生じ、取り付け騒ぎとも呼べる状況が発生したことだった。FTXの創設者で、元CEOのサム・バンクマンフリードは、彼の取引所に1日で60億ドル相当の引き出し要求が殺到したと述べていた。

forbes.com 原文

編集=上田裕資

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