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2022.11.15 10:15

若い人ほど職場の忘年会に参加したい 令和の新しい忘年会スタイルのはじまりか

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職場忘年会の支持派は約6割で、そのうち20代が最多で7割近く。

これは昭和の話ではなく、2022年の調査結果です。若い人ほど忘年会の開催を望むなんて、ちょっと意外ですよね。コロナ禍で人恋しくなったという理由もありますが、そこからはもっと大きな時代の変化が感じられます。

就職や転職に特化した匿名相談サービス「JobQ」を展開するライボの調査部門、Job総研は、全国の従業員数20名以上の企業に1年以上勤務する20代から50代の会社員770人を対象に、今年の忘年会意識調査を実施しました。それによると、職場忘年会の開催に肯定的な人は、「賛成」と「やや賛成」を合わせて58.1パーセントと多数派であることがわかりました。しかも、年代別では賛成派がもっとも多かったのが20代で65.3パーセント。年代が上がるごとに減少してゆき、50代は44.1パーセントです。忘年会が開催されたら参加したいかという問に対しても、参加したいと答えたのは20代が最多で70.2パーセントでした。

参加したい理由としては、コミュニケーション、上司との関係構築、同僚との関係構築が上位を占めています。調査では、職場忘年会を実施した企業は、コロナ前の2018年は7割以上ありましたが、2021年は激減して2割を切っています。賛成派の意見には「コロナで対面コミュニケーションが減った分、忘年会は社内交流として必要」とか「入社してから顔を見たことがない人もいるので」という声が見られます。

今の40代50代の人たちは、退社後に同僚や上司と酒を飲んで語り合う「飲み二ケーション」も仕事のうち、などと言われる時代を生きてきました。忘年会は強制参加、上司の酒の誘いは断れないといった人間関係に疲れ果て、拒否感を示しているようにも想像されます。「必要性を感じない」、「プライベートを優先させたい」、「仕事以外で職場の人と関わりたくない」といった、いわゆる「忘年会スルー」派は意外に高年齢の人たちに多いのかもしれません。

こうして、日本企業の飲みニケーションや忘年会文化は衰退してゆくのかと思っていたら、この調査は意外な結果を見せてくれました。若い人ほどコミュニケーションを大切に思っているということです。日本型企業とは対照的に個人主義だと思われていたアメリカのビジネス界では、一見無駄に思える雑談から新たな発想が偶然に生まれる「セレンディピティ」に注目が集まっています。

今年忘年会を実施する企業のうち自由参加が76.3パーセントと、「ほぼ強制」と「強制」を大きく上回っています。これからは、若い人たちによって、今の時代に合った自発的で適度な、新しい飲みニケーション文化が構築され、日本企業の忘年会も、有意義で楽しいものに変化してゆくことでしょう。

文 = 金井哲夫

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