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2022.11.15 08:45

タイ人は山形県がお好き 訪日外国人旅行者の検索ランキング

リリースベース(松村)
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プレスリリースより

ナビタイムジャパンは、訪日外国人向けのナビゲーションアプリ『Japan Travel by NAVITIME』の利用状況を分析した結果を発表した。それによると、外国人旅行者は国ごとに目指す場所の傾向が異なり、意外な場所が人気だったりすることがわかった。

調査は今年9月1日から10月30日までの間で行われた。『Japan Travel by NAVITIME』の利用者から同意のもとに取得した経路検索条件データを集計し、分析している。

9月1日の新型コロナ水際対策緩和を受けて外国人旅行者が大幅に増加したが、アプリの設定言語は中国(繁体字)が断トツに増加率が高く、10月30日までの2カ月間で約23倍となっている。繁体字ということで、台湾や香港のユーザーがメインだろう。続いて、タイ語、韓国語が並ぶ。

さて問題は、この人たちがどこを検索したかだ。参考として、日本語版の『NAVITIME』でよく検索される目的地のランキング20位までが同時に公表されている。外国人の目的地ランキングもそう大きく違ってはいないのだが、言語ごとにちょっとだけ傾向が違う。

中国語のユーザーは、北海道、長野、山梨が日本語版よりも上位に来ていた。また17位には、日本語版では30位の青森が入っている。NAVITIMEの解釈では、スキーができる降雪地に人気があるとのことだ。また、15位に和歌山、16位に大分、20位に熊本と、日本語版ではランキング圏外の地域が入っていた。たしかに、和歌山電鐵の猫駅長が台湾と香港でも大人気ということで、多くの観光客が訪れている。ちなみに昨年は、台湾高雄市の地下鉄橋頭糖廠駅にも猫駅長が「就任」したそうだ。



2位のタイ語のユーザーは、日本語版の圏外から入った地域に大分(14位)と山形(20位)がある。大分の湯布院はアジアの人たちにも人気が高いそうだが、山形って、なんでだろう? NAVITIMEの発表では、その理由までは示されていない。調べてみたところ、山形県タイ友好協会によれば、山形県を訪れる観光客ではタイ人がASEAN域内でもっとも多いそうだ。タイの日本旅行情報サイト「Chill Chill Japan」では、山形の銀山温泉が「日本のもっとも美しい温泉」として紹介されていた。



3位の韓国語ユーザーは、またちょっとニュアンスが違ってくる。日本語版の圏外からは、大分、長崎、兵庫、熊本、滋賀が入っている。具体的な目的地の検索結果では、新宿、渋谷、銀座、秋葉原のような「有名」ショッピング街に加え、池袋、なんば、新大久保、道頓堀、新橋などがランクインするなど、かなりマニアックな感じを受ける。ユニバーサルスタジオジャパンや東京ディズニーランドも入っていて、韓国からだと海外旅行というより「ちょっと遊びに来ましたー」といった雰囲気なのかもしれない。



面白いのは、中国語とタイ語では、目的地の上位に成田空港第1ターミナルが入っているのに対して、韓国語ではそれがなく、代わりに関西空港が入っている点だ。やっぱり韓国人はマニアックだ。また、中国語とタイ語では河口湖が上位に入っていたが、韓国語では入っていなかった。

ともかく、海外の人たちは日本の隅々まで足を伸ばして遊びに来てくれていることがわかる。ありがたいことです。

文 = 金井哲夫

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