ビジネス

2022.11.16 17:30

エアークローゼットが、世にない「服のレンタル」で資金調達できた理由 #3

エアークローゼットCEOの天沼聰


まずはパートナー企業様もしくはお客様からの「信頼獲得」。これは例え株式市況が悪くても得られるメリットです。むしろ悪い市況下で上場することが、かえって良い評価に繋がることさえ考えられます。
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2つめの目的は「資金調達」。これは明らかに市況によってダメージを受ける部分でした。

ただし、私たちは元よりIPOを「持続可能な会社になることを約束する」ことだと考えていたので、事業の継続的な利益性が準備できた状態がIPOのタイミングだと決めていました。

ですのでIPOによる資金調達が無いからといって、事業が存続できない状態ではありません。
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そうだとしたら、外的環境が大きく変化している中だけれど、目的は達成できるのだから当初予計画していたスケジュールを変える必要はない、と判断して上場を決めました。

逆にいわゆるコーポレートガバナンス整備といった上場準備は、かなり早めから準備をしていたので、大きな問題はありませんでした。

上場するためにやらなければいけない、で始めていたのが良かったのだと思います。

──上場時に投資家に対するコミュニケーションで大切にされたポイントなどあればお聞かせください。

1つめは私たちのビジネスモデルを深く知っていただき、かつ既存のビジネスモデルとの会計の考え方の差分を理解していただくこと。

ここは監査法人とも喧々諤々議論し、とにかく「正しく知っていただく」努力をしました。

もう1つは、マーケットに先行する比較対象の会社がない中で、企業価値のわかりやすい判断軸を提供すること。

KPIを「有料会員数」と「一人当たりの限界利益」に絞り、これを掛け合わせたもので固定費を賄っていきさえすれば長く持続可能な状態になる、というシンプルな論理を軸にコミュニケーションをしていきました。

──最後に読者のみなさんへのメッセージをお願いいたします。

創業当初から変わらず、関係するすべてのスタークホルダーの「時間の価値」が高まっていく状態を作ることが私たちの目指す世界です。

そのために色んなビジネスモデルにチャレンジするかもしれないですし、ITやAI、データ活用をするかもしれませんが、すべては目指したい世界に向けた手段と捉えています。

なので、このビジョンや「9 Hearts」という行動指針に共感してくださる方は、ぜひチャレンジを共にしたいと考えています。

私自身、様々な仕事をしてきて、仕事において一番大事なのは「納得できる仕事をして、人生にとって意味のある時間を過ごすこと」だと感じています。これからも意味あるビジョンを大切に、チャレンジし続けたいと思います。

──御社への入社を希望されるメッセージともとれそうです。

先ほども話しましたが、エアークローゼットに入社していただいたとして、ここで過ごす時間の長さに関わらず、その時間を意味のあるものにしたい。

例えば「短期で成長する」ことを大切にされたい方にとって、とにかく成長できる組織環境でありたいですし、逆に「成長角度を一定にしながら、育児とバランスさせたい」という人にとっても、働きやすい環境を作りたい。

だからこそ採用前には必ずビジョンに共感していること、人生にとって意味ある環境にエアークローゼットがなれるかどうかを確認させていただいています。

是非、興味があるかたはお話ししに来ていただけると嬉しいです。

文=伊藤紀行 提供元=DIMENSION NOTE by DIMENSION, Inc. 編集=露原直人

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