世界的な保険市場のLloyd’s of London(ロイズ・オブ・ロンドン)は、各選手の保険価額に基づいて予想を立てている。それによると、今大会の選手の総保険価額は約260億ドル(約3兆6090億円)で、2018年から106億ドル(約1兆4710億円)増えている。経済経営研究センターの支援を受けた同社の研究では賃金、スポンサー、年齢、ピッチ上のポジションなどを基に選手の保険価額を算出している。
この方法でロイズは2014年と2018年に優勝国を当てた。
今年、ロイズはイングランドの優勝を予想している。
ロイズはイングランドを37億4000万ドル(約5190億円)と評価し、2022年カタールW杯で最も価値の高いチームとした。フランスは31億4000万ドル(約4360億円)で2番目に価値が高く、ブラジルは30億2000万ドル(約4190億円)だった。そしてイングランドのジュード・ベリンガムが最も保険価額が高い選手で、フランスのキリアン・エムベパが続く。
ロイズはイングランドがグループリーグで首位に立ち、トーナメントでセネガル、フランス、スペインを倒すと予測している。そして、イングランドは決勝でブラジルに勝利するとしている。
一方、スポーツデータ制作の大手であるOPTAは人工知能を使ってワールドカップ優勝国を予想した。
AIによる各チームのオッズは、ゴールが決まるごとに他のチームが決勝トーナメントに進む可能性が変化するため、大会期間を通して試合中にライブで変わる。
開幕前時点で、優勝する可能性が最も高いチームはブラジルだ。OPTAはブラジルの優勝の可能性は16.3%としている。
ネイマールやヴィニシウス・ジュニオールらのチームがトーナメントに進出する確率は88.5%、決勝に進出する確率は25.7%だ。
次いで 優勝の確率が高いのはアルゼンチンで13.1%、そしてフランス12%、スペイン8.9%、イングランド8.8%と続く。
OPTAは、イングランドがグループBの首位に立ち、アメリカがウェールズを抑えて2位になると予想している。アメリカの全勝の可能性は0.7%だ。
元カメルーン代表でバルセロナのストライカー、サミュエル・エトーは、アフリカ勢による決勝戦を予想し、カメルーンが優勝トロフィーを手にするとしている。しかし、OPTAはカメルーンのトーナメント進出の可能性は19.8%、優勝の可能性は0.2%と予想している。これは開催国カタールの優勝確率0.3%よりもわずかに低い。
現段階でW杯優勝の可能性が6分の1を超えるチームはなく、OPTAのデータは決勝戦が行われる12月18日に優勝トロフィーを掲げるチームを正しく予想することがいかに難しいかを示している。
(forbes.com 原文)