ビジネス

2022.11.11 19:00

ユナイテッド航空がNYで「空飛ぶタクシー」、2025年開業目指す

ARCHER AVIATION

今から数年後、ウォール街のバンカーやマンハッタンの住人たちは、ニューアーク・リバティー国際空港との間を電動エアタクシーでスピーディーに行き来するようになるかもしれない。

ユナイテッド航空とアーチャー・アビエーションは11月10日、マンハッタンの南端近くのヘリポートとニューアーク空港を結ぶ、シャトルサービスを開始する予定だと発表した。アーチャー社の4人乗りのエアタクシー「Midnight」は、ヘリコプターのように垂直に離着陸し、10分程度でこのルートを飛行する。

電動エアタクシーを開発する企業が、詳細なルートを開示したのはこれが初めてのことだ。10月には、デルタ航空が別のエアタクシー開発会社の「ジョビー・アビエーション」と提携し、ニューヨークとロサンゼルスで空港シャトルサービスを提供すると発表したが、飛行ルートの詳細は明らかにしていない。

ここで気になるのは、ユナイテッドとアーチャが提供する8.4マイルの旅の価格が、いくらになるかということだ。両社は価格について詳しく説明していないが、以前からの目標の1マイルあたり3〜4ドルという価格が実現できれば、25〜32ドルということになる。ヘリコプター・サービスのBladeは、ニューアーク・リバティとマンハッタンのヘリポート間を195ドルで結んでいる。

カリフォルニア州パロアルトに拠点を置くアーチャーは、2025年にサービスを開始したいと述べたが、この野心的な目標が実現できるかどうかは現時点では不明だ。同社のMidnightはまだテスト段階で、連邦航空局(FAA)は、ジョビーやBeta Technologiesなどのアーチャーの競合企業が開発中の機体の安全性を確認するプロセスをまだ開始していない。さらに、電動垂直離着陸機の運用に適用する主要な規制も、まだ策定していない。

アーチャーは、16日に「Midnight」をお披露目すると述べている。同社は、この機体の小型バージョンのテスト飛行を重ねてきた。

ユナイテッド航空は、8月にアーチャーのエアタクシー100機に対する1000万ドルの前払い金を支払い済みで、約2%の同社の株式も保有している。アーチャーは昨年、SPAC(特別買収目的会社)との合併で株式公開に踏み切ったが、ユナイテッドはその際に出資した。アーチャーの株価は、2021年9月の取引開始以来で75%下落し、現在は2.49ドルをつけている。

forbes.com 原文

編集=上田裕資

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