ビジネス

2022.11.11

自動運転テクノロジー「TuSimple」が上場廃止の危機、社内の内紛で

「TuSimple」共同創業者のホウ・シャオディ(侯暁迪)

物流トラック向けの自動運転テクノロジーを開発する「TuSimple」は、ナスダック証券取引所で上場廃止の危機に直面していると発表した。同社は、ナスダックが定める社外取締役の最低人数の基準を満たさない可能性があるという。

サンディエゴに本拠を置くTuSimpleは先日、同社の共同創業者でCEOのホウ・シャオディ(侯暁迪)が、「中国企業への不適切な融資と技術移転に関与した」と報道されたこと受けて、彼を解雇していた。しかし、ホウを含む共同創業者たちが議決権の過半数を持つ株式を利用して、取締役会の独立メンバーを解雇したため、唯一の取締役はホウのみになったと、同社は11月10日の提出書類で述べている。

TuSimpleは、共同創業者のモー・チェンと前CEOのホウが支配する持ち株会社が、独立取締役3名を取締役から除外したが、今後も期限の終わりまでは、「ナスダックの上場規則に準託するつもりでいる」と発表した。

ホウはフォーブスからのコメント要請を拒否した。

ホウの更迭は、ウォール・ストリート・ジャーナル(WSJ)が10月30日、TuSimpleの共同創業者のモー・チェンが設立した中国の水素トラックの新興企業Hydron Inc.とTuSimpleの関係を、連邦捜査局や米証券取引委員会(SEC)、対米外国投資委員会(CFIUS)らが調査していると報じた直後に行われた。

関係筋によると、ホウや他の幹部がHydronとの関係を適切に開示していないことが証券取引法に違反する可能性があるという。また、TuSimpleが米国で開発したテクノロジーを中国のHydronと共有していた場合、米国の規則に違反する可能性がある。

この報道を受けて、TuSimpleの取締役会は、「ホウの判断や意思決定、CEOとして会社を率いる能力に対する信頼と信用をなくした」と述べ、彼を解雇すると発表していた。また、この決定は、いかなるメディアの報道とも無関係で、取締役会の監査委員会が調査を行った結果だと述べていた。

forbes.com 原文

編集=上田裕資

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