巨大な次世代ロケットは、ケープ・カナベラルを含むフロリダ州の大部分を襲ったカテゴリー1ストームの暴風雨に曝された。数十億ドル(数千億円)のロケットとそこに搭載されたカプセル宇宙船オリオンは設計限界ほどの強風に曝されたと気象学者でArs Technicaの宇宙レポーターであるエリック・バーガーが伝えている。
SLSは最大74.4ノット(約138km/h)の風に耐えられるように設計されているが、発射台付近では87ノット(約161km/h)の突風が少なくとも1回観測された。
今週初め、予定されていた無人探査機アルテミス1号の月周回ミッションの打ち上げは11月16日に延期された。NASAのスタッフがケネディ宇宙センターに戻ってロケットを検査した後、さらに日程が延期される可能性がある。
SLSは2022年9月に打ち上げられるはずだったが、エンジンの問題や燃料漏れなどによって繰り返し延期されてきた。修理およびハリケーン「イアン」の影響を避けるために、ロケット全体が発射台からケネディ宇宙センターの巨大な宇宙船組み立て棟に戻された。
ロケットは設計上、組み立て棟と発射台との往復に耐えられる回数に制限があり、それが今回ハリケーン「ニコル」の雨の中に残す決断の要因になった可能性がある。
NASAは、ハリケーン「ニコル」後のSLSあるいはアルテミス1号ミッションの予定に関して新たな情報を提供していない。
(forbes.com 原文)