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2022.11.15 18:00

女性が男性よりも金銭面を懸念 米国の新調査で判明


クワンは、年齢にかかわらず女性が心配している共通の問題があると指摘した。それは、景気後退が訪れた場合の経済的な備えだ。クワンは次のように述べている。

「当社では、景気後退に対する経済的な備えができていると感じると答えた人は男性の間では30%で、女性(14%)の倍以上だった。女性が金銭面で自信を持たないこと(たとえ良い状況でも自己疑念に陥ることはある)がここでの大きな問題だということは分かっているが、別の問題として外部からの支援不足があるかもしれない。女性の70%近くはファイナンシャルアドバイザーと面談したことがないと答えたが、男性の間ではわずか41%だ」

クワンによると、女性がアドバイザーとの面談や投資をためらう理由は、男性の顧客を標的とした業界で女性が取り残されたように感じていることにある。

「金融業界は男性が支配的で男性を念頭に構築されたため、男性の方がファイナンシャルアドバイザーを活用して投資を行ない、強い基盤を構築することをより楽に感じる理由を理解するのは簡単だ」と説明した。

実際、ファイナンシャルプランナーは圧倒的に男性だ。バンク・オブ・ニューヨーク・メロン(BNYメロン)の子会社BNYメロン・インベストメント・マネジメント(BNY Mellon Investment Management)が資産管理者を対象に行った最近の調査では、約4分の3が自分の会社の投資商品は主に男性を標的としていることを認めている。

顧客を集めるため、管理者らは女性よりも男性に訴えかけるような商品のメリットや特徴に注目し、中にはエクストリームスポーツで使用されるような高リスクの比喩を用いて商品を説明して男性客を引き寄せる人もいた。

こうした男性中心の考え方により女性はますます疎遠になる。エレベストの調査で投資をしていると報告している男性(63%)が女性(36%)よりも非常に多い理由はこれで説明できる。

ただ女性にとっての朗報は、投資を行う女性は男性よりも優れた成績を残すことが研究から示されている点だ。米金融サービス企業フィデリティの顧客500万人以上の過去10年間の成績を追跡した分析によると、女性の成績は男性を平均0.4%上回っていた。

さらにエレベストは、変動性がある現在の市場で投資への出資をやめた人は女性の方が少ないことも発見した。これは女性にとってさらなる朗報かもしれない。

エレベストの著者らは報告書で「私たちは経験やこれまでのデータから、これまで景気停滞の場面では投資を継続することが成功戦略だったことを知っている」と述べている。

forbes.com 原文

翻訳・編集=出田静

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