ビジネス

2022.11.13 17:00

「内向的な性格のリーダー」が持つ、驚くような強み


こうした領域については、内向的なリーダーから貴重な教訓を学べるかもしれない。筆者は最近、世界中の7万以上のチームから信頼されている学習技術を提供する大手ソフトウェア会社、エビグノーシス(Epignosis)の共同創設者でもあるサノス・パパンゲリス最高経営責任者(CEO)と話をした。

パパンゲリスは自称「内向的な性格」であり、上述の調査で言及されているようなリーダーシップを実践している。同氏は、自分の体験について次のように話してくれた。「私は内向的なので、人の話を聞くことのほうが好きだ。たとえば、何か決断をしなければならないとき、私は人の話を聞き、その人に話をさせ、私はその人よりも少なく話すという方法で対処している。そして最終的には、聞いた話をすべて自分の中に取り込んだうえで、本当に重要な決断に関しては、聞いたことを基に自分なりの決断をするようにしている。しかし可能な限り、キーパーソンには自分で決断してもらうようにしている。従業員が直接決断したときのほうが、より効率的に会社を運営することができる」

同氏の内向的な性格は、直属の部下たちの自立性を高めるだけでなく、彼らのモチベーションをとてつもなく上げる仕事やプロジェクトに自発的に挑戦できる体制づくりにも役立っている。パパンゲリスはこう語る。「たとえば、人前でのスピーチなど、組織内には、さまざまなことにもっと適した人材がいると思う。私は内向的な性格なので、その役割を彼らに与えることができるのは、とても幸せなことだ。彼らも、自分の好きなことができることにとても満足しているので、まさにウィン・ウィンの関係だ」

また、あまり議論されることがないが、内向的な性格のリーダーが持つもう一つの利点は、より深い人間関係を従業員と築けることだ。外向的な性格の人は通常、個人的な人間関係を作りやすいと思われているので、この理屈は直感に反しているように聞こえる。だが、パパンゲリスはこう説明した。「内向的なリーダーは、従業員との関係をより大切にする。なぜか? 内向的な人は、新しい人間関係を作るのが苦手なので、すでにできている人間関係に時間をかけるからだ」

先述したとおり、外向的なリーダーと内向的なリーダーのどちらもが、普遍的に優れているというわけではない。しかし、ビジネスシーンにおいて、「外向的な性格のエクゼクティブ」というイメージが非常に大きいことを考えると、内向的な性格のリーダーが提供しうるあらゆる利点について、考えてみる価値はあるだろう。

forbes.com 原文

翻訳=藤原聡美/ガリレオ

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