ビジネス界で伝説になっている外向的なエグゼクティブは大勢いるが、実のところ、内向的なエグゼクティブのほうが優れたパフォーマンスを発揮する場合もある。
米国の宅配ピザ会社のフランチャイズ店130件を対象にしたある調査では、リーダーの外交性が利点につながるかどうかは、従業員たちとの組みあわせによって決まるということが判明した。(たとえば、手順の改善を考えようとしないなど)従業員があまり積極的でない店舗では、外向型リーダーは平均より16%高い利益を上げていた。一方、ここが重要な点だが、従業員が積極的で、多くのアイデアを提供しているフランチャイズ店では、外向型リーダーの上げる利益は14%低かった。
外向的な性格のリーダーは、積極的であるのと同じくらいに、自己主張の強い従業員から挑戦されていると感じる可能性がある。そしてその場合、防衛的になってしまい、パフォーマンスの低下につながる可能性がある。一方、内向的な性格で、積極的な従業員の意見に耳を傾けることが多いリーダーは、外向的な社員たちから優れたパフォーマンスを引き出せる可能性が高い。
外向的なリーダーと内向的なリーダー、どちらが優れているというわけではないが、適切なリーダーと適切なタイプの従業員が組み合わさることで、魔法が起こりうるわけだ。
魔法を起こすには、当然のことながら、リーダーと従業員の適切な組み合わせについて理解する必要がある。たとえば、筆者が創業したコンサルティング企業、リーダーシップIQの調査「The State Of Leadership Development(リーダーシップ開発の現状)」によると、従業員のうち「自分のリーダーは、常に改善のための提案を奨励し、その価値を認めている」と答えたのは、わずか27%に過ぎなかった。そして、このような「アイデアを募る姿勢」の欠如は、従業員のエンゲージメントに強いマイナスの影響を及ぼしている。多くの場合、リーダーと従業員のあいだで、外向的な人と内向的な人がうまくマッチしていないのは明らかだ。